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手癖 -sgi゚ ページ43

カーテンコール」のお2人です。
時期物なお話。


*your side



春の暖かな日に外に出られないというのはなかなかに苦痛なものだ。
劇場は運営の危機だし、所属した劇団の公演も中止になった私は、家で退屈な日々を過ごしていた。


なんの当てもなくスマホを眺めていると、画面の上にバナーが現れ、送り主はどうやら恋人のようだ。
すぐにそのメッセージアプリを開くと、端的に「うち来ない?」とのこと。

駿貴さんの家の鍵は持っているし、いつでも行ける身ではあるが、このご時世では人に会うことがもうダメって感じなので遠慮していた。

そんな悩みとか受け付けないくらいの、要件だけのメッセージ。いつもは前置きとか入れてくる人だけどそれが無いということは、よっぽど余裕が無いのだろうか。

何となくいつもとは違うなと感じ取って、私も端的に「行く。」と打ち込んで身支度をし、3日振りくらいに家を出た。




駿貴さんの家のドアの前に立ちインターホンを押すと、すぐに彼がドアを開けにきてびっくりした。
鍵は持ってるのだし、インターホンに応答すれば駿貴さんがわざわざ自室から出る必要は無いのに。
そして出てきた瞬間、思い切り抱きつかれた。



「Aだーーー……」

『えっ、駿貴さん、ここ玄関』

「うん…このまま中入って」




そのまま抱き寄せて玄関のドアを閉める駿貴さん。
器用だな…ってそうじゃない。急に抱きつかれるときは大体疲れてる時か滅入ってる時。
彼の顔を見たいのに、抱きしめる力が強くて見上げられない。とりあえずその広い背中をさすってみた。




「それやばい、なんか泣きそう」

『ええ、なんで……駿貴さん、無理してた?』

「……かもしれない。自覚なかったし色々と集中出来たのは良かったけど、なんか糸切れちゃって」

『…うん。頑張ったね。今日はゆっくりしよう?』

「……だな。Aで癒されるわ」




私なんかで癒されるのかは謎だが、やっと体を話してくれて見ることの出来た彼の顔は、案の定かなり疲れていた。

玄関から彼の部屋に移動し、柔らかいクッションに腰を降ろすと、すぐ隣に彼も座って、頭を私の肩に置いた。





「…全然もてなせなくてごめん」

『大丈夫だよ、気にしないで』

「……ありがとう」





こちらの調子が狂うくらい、いつもと違う駿貴さん。
覇気が無いというかもはや生気すら無い。

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浅間(プロフ) - いろさん» 返信が半年近く遅れてしまいすみません…!!!!コメントありがとうございました!好きと言っていただけてとても嬉しいです…。マイペースな更新で申し訳ないですが、もしよければ今後ともよろしくお願いします! (2020年7月15日 0時) (レス) id: 2921f9dd64 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 今更感すごいですがコメント失礼します!前々からすごく好きで見させていただいていたのですがとうとう好きが溢れました。好きです。失礼しました。 (2020年3月4日 21時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:浅間 | 作成日時:2019年10月24日 17時

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