Call me back again【短編集】

Share Happy？ -sgi ページ13

*




｢中までチョコたっぷりのトッポがポッキーの日商戦に入ってこないのは癪だよな〜｣



撮影の合間の休憩を取っている動画メンバー。
伊沢さん、川上さん、私がいる空間で須貝さんが急にそんなことを呟いた。



｢そりゃメーカー違いますからね｣

｢でもポッキーとプリッツが売り切れててトッポ買う人多いから、実質売り上げは上がってそうじゃないすか？｣

｢久しぶりにすげぇ経済学っぽいこというじゃん｣

｢学が出ちゃったわ〜｣



この人達の会話はいつもどこかしらに知識やら経験則が入ってきていて聞いているだけで楽しい。
パソコンに向かい合いながらそんなことを考えているのと、



｢Aちゃんはどう？ポッキーとトッポどっちが好き？｣

『えっ、私ですか。んー…トッポはたまに端っこにチョコがついてて手が汚れたりするので、ポッキーの方が好きかもです』

｢これまた違う方面の現実的回答だ｣



実際チョコ菓子はあまり食べないのだが、ポッキーとトッポだったらポッキーの方が食べてきた気がする。

その時ふと、ポッキーの日なんてあったなぁと思い出して、



『でもポッキーの日ってありますけど、あれだとどちらかは最初クッキーになっちゃうし、お互いにチョコから食べられるトッポのほうが良さそうですよね』



そんなことを口にすると、他の3人はポカンとしてしまった。

え、そんなまずいこと言っちゃった？




｢Aちゃん、今日がそのポッキーの日だよ｣

『えっ！？あ、ほんとだ今日11月11日！』

｢ふっ、ははっ！須貝さん顔赤い！｣

｢ちょっ、え、まじ？見ないで見ないで！！｣

『？』



沈黙を破ってくれた伊沢さんは顔が赤らんだ須貝さんを見て爆笑してるし、川上さんも両手で口を抑えて笑っている。



｢あー、おもれぇ。川上、そろそろ俺ら準備しに行こうぜ｣

｢そっすね。行きますか｣

｢じゃあお先行ってますから、須貝さん、あんまりやり過ぎないでね〜。｣

｢は！？お前ら、ちょ、まっ｣



終始ニヤつきながら2人は撮影部屋へ移動してしまって、須貝さんと2人きりに。





あ、これは。と、鈍いながらにも気づいてしまった。
まさかそんな…ね。





何も言えずにいると、須貝さんがバッグから取り出してきたのはトッポの箱。
箱と袋をあけ、1本差し出してくれた。






｢俺とでもいいかな？Share Happy？｣

『……それって、』






甘い甘い休憩時間。
想いはちょうど真ん中で届くはず。

ねぇ。-fkr→←糖分補給 -ymmt

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す