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目を見たら -izw ページ11

*


いつもならもう寝てる時間。
同棲してる彼がまだ帰ってきていなくて、寝ないでいる。すでに電気を消した部屋に1人。
若くしてCEOになってテレビでも活躍する彼、拓司さんの彼女であることは嬉しくて少し誇りでもあるが、時々とてつもなく不安になることがある。



『私でよかったのかな』



虚空に消えた呟きが、自分の耳にしか届かないことがどうしようもなく悲しくて、目に涙が溜まってくるのが分かる。

ダメだ、もう寝よう。こんな顔では会いたくない。
そう思った時ほど待ち人は現れるもので。
玄関の開く音に、急いで目元を拭く。



「ただいまー、って寝てるかな」

『…おかえり』

「あ、起きてた?遅かったし、寝てて良かったのに」

『うん…なんか寝れなくて』

「…A、こっち見て」

『…やだ』



荷物を置いたりしながら話してる拓司さんの方を全く見ないで話していた。
少しでも泣くと目と鼻が赤くなるのは自分で分かっているから、拓司さんに顔を向けないままベッドに入ろうと移動する。が、



「まってA」

『眠くなったから、先寝るね』

「嘘、こっち向いて」

『嘘じゃない』

「だってほら」



あぁ、やばい、見られた。
なんでこういう時振り切れないんだろう。
拓司さんは鋭いから、一瞬でも悟られたらバレるって分かってるのに。
……心のどこかで、分かって欲しいって思ってるんだろう。



「俺、きっと何度もAに1人で泣かせてるんだよね?」

『違うの、私が勝手に不安になって』

「それは俺が不安にさせてるから」



ほんとに違うのって言ったつもりだったのに、上手く声にはなってなくて。
私の首元に顔を埋めるように拓司さんは強く抱きしめてくれた。



「俺はAを離したくない。こんなにも好きだから。でもきっとそれが伝わってなくて、不安にさせてる」

『…そうだよ、分からないよ。言ってくれなきゃ。朝隣に拓司さんがいないのを見る度に、もう帰ってこないのかなって思うんだよ』

「ごめん、でも俺にはAしかいない」



抱き締められていた腕の力が解ける。
両頬に手を当てられ、やっとお互いの顔をしっかりと見る。
拓司さんの真剣な目。この目を向けるのが私だけであって欲しいと、何度そう思ったか。



「大丈夫、俺はAにしかこんなこと言わない」

『…え、今私口にしてた…?』

「目を見れば分かる。だから、もう泣かないで」



寂しい涙から嬉しい涙に変わっていた。
まだもう少し止まらないかもしれない。

糖分補給 -ymmt→←Treat



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浅間(プロフ) - いろさん» 返信が半年近く遅れてしまいすみません…!!!!コメントありがとうございました!好きと言っていただけてとても嬉しいです…。マイペースな更新で申し訳ないですが、もしよければ今後ともよろしくお願いします! (2020年7月15日 0時) (レス) id: 2921f9dd64 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 今更感すごいですがコメント失礼します!前々からすごく好きで見させていただいていたのですがとうとう好きが溢れました。好きです。失礼しました。 (2020年3月4日 21時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:浅間 | 作成日時:2019年10月24日 17時

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