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21. ページ23

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「ねぇ、福良、僕、何してた?」

振り返り、斜め後ろにいた福良に訊ねる。

「…一言で言うなら、魔法を使ってた」

「は、」

信じられなかった。僕が、魔法を?考えれば考える程、頭の思考はまとまりがつかなくなる。その時。

《お前は僕を殺した》

「…っ!」

どこからかそんな声が聞こえ、思わず後ずさる。真後ろは伊沢。彼よりも少し身長の小さい僕は彼の胸元にぶつかる。伊沢は僕を抱き捕まえる。

「大丈夫ですか、河村さん」

「まぁ《お前は罪なのだ》ね…っ…伊沢、何か聞こえない?」

「…いえと《お前も消えるべきだ、神を殺したのだから》」

「…っ!」

やっぱり変だ。話が通じない。これは、自分にしか聞こえないのか…?

《消えろ、神を殺した咎めだ》

「…僕は、死にたくない…僕は…生きたい…!」

「え、河村何言ってんの?今…ドッペルゲンガーいないけど…」

「僕にしか聞こえない。直接脳に話しかけてくるんだ…僕のドッペルゲンガーが…神が…お前は死ぬんだ、って。どうせそろそろ殺しに来るよ。神は不死だから戻って来るんだよ…僕は皆を守れる自信が無い。だ──」

「──何でですか」

え、と声をした方を見ると山本だった。

「何で皆の危険を、河村さんだけが背負う必要なんて、あるんですか」

何で、って少し思ったけど確かに川上のドッペルゲンガーも、僕と山本のドッペルゲンガーも倒したのは僕である。今回もまた皆を助けようとしている…何故だろう。

「…そ、れは」

「僕は河村さんに助けてもらったので、河村さんを助けます。勿論僕だって死にたくない。でも…ずっと河村さんに助けてもらっただけでは、僕は卑怯者だ。そんな僕はまっぴらごめんだから」

…そうか、僕は。全部を負う必要なんてないのに。僕には仲間がいるのに。何で頼らなかったんだろう。

結局僕は、一人で抱え込んでしまうのだ。

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投稿遅れてすいません…スランプ気味でして。頑張ります。

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黒酸塊(カシス)(プロフ) - YUKARI♪さん» あわわわ、ありがとうございます!これからも頑張って行きます! (2019年11月29日 21時) (レス) id: 0fe8ef6c05 (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - イベントのYUKARI♪です!コメント遅くなってすみません!文章の書き方,感情の表し方…凄かったです!!迷わず高評価させていただきました!! (2019年11月29日 6時) (レス) id: a01ec1bc5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒酸塊(カシス) | 作成日時:2019年10月27日 0時

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