Doppelganger【QK】

17. ページ19

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さっき川上が倒れてからずっと心臓マッサージを伊沢がやってるんだけど、戻る気配が一向にない。それどころか息すらしてないように見える。…まさか。

「山本、ゴム手袋持ってきて！」

「っ、はい！」

実験用に買ってあった病院で使う様なゴム手袋があるはず。その間川上の口を開けさせるとやはり、としか思うことがなかった。山本からゴム手袋を受け取り、手に付けては川上の舌を引っ張り上げ、頭頂部を下の方に向け、鼻をつまみ、人工呼吸を試みる。それでも尚、川上の意識が戻ってくる事はなかった。

あぁ、仲間が、また。

1人、1人と奪われてゆく。

ドッペルゲンガーに、負けたくないのに。


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医学的な解説です。分かる方は飛ばしてもらっても構いません。

人は寝転がった状態で死ぬと舌が奥の方に下がり、気管を塞ぐような形で呼吸を止めてしまいます。なので、福良さんがやはりと思ったのは口を開けて見ると舌が奥に下がっていたからです。普通は下がった舌は手ではなくちゃんとした医療器具で持ち上げるのですが、今回はオフィスでなおかつ器具等も一切ないということで仕方無く手でやらせていただきました。このやり方に不安がある方は医者などに訊ねるのが良いと思います。

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