▶︎ ページ4
○
「…え、福良さん…？」
僕の前にしゃがんだ福良さんが何をしたいのかわからなくて動けないでいると、何してるんだと言わんばかりの顔で福良さんが振り返る。
「おんぶ。問、動けないんでしょ？」
ほら早く〜、とのんびりした口調で僕を急かす。
申し訳ないと思いつつ体がだるくて動けないのも事実。
僕は大人しく福良さんの背中に体を預けると、控えめにぎゅっと抱きついた。
「問、ちゃんと食べてる？軽すぎ」
僕が抱きついたのを確認するとヒョイっと立ち上がった福良さんは笑いながらそう言うと、ゆっくりしたスピードで撮影部屋に向かう。
福良さんも華奢な方だと思ってたけどおんぶされると意外とがっしりして安定感がある。
とても心地よくて安心感があって、ずっとこのままがいいなって思うのは風邪をひいてるからかな。
撮影部屋へはあっという間についてしまい、福良さんは優しくソファーに僕を下ろした。
「何か飲み物とってくるね…って問？」
離れたくないな、寂しいなって思っていたら無意識に行動にでてたみたい。
飲み物をとってきてくれようとした福良さんの手を思わぎゅっと握ってしまった。
最初は驚いたような顔をした福良さんだったけど、いつもより優しい顔をして僕に笑いかけると僕の隣に腰掛けた。
「ほら、ここおいで？」
何するんだろうとぼーっと福良さんのことを見ていると、ぽんぽんと福良さんは自分の太ももを叩いた。
「起きてるの辛いでしょ？ここに寝ていいよ」
そういうと半ば強引に引き寄せられ僕の頭はいつの間にか福良さんの太ももの上。
優しく優しく僕の頭を撫でながらもう片手で何やらスマートフォンを操作する。
「飲み物以外に何か欲しいものある？伊沢に持って来させるよ」
どうやら伊沢さんに連絡していたみたい。
僕が寂しいって思ってたの福良さんにはお見通しだったのかな。
そう思うと何だか恥ずかしくてふいっと目線を逸らしてしまう。
「何にもいらないから…その…もっと頭、撫でて欲しい…」
小さな声でそうお願いしたらいつものフワフワとした笑い声が降ってきた。
「あはは、気に入ったの？」
そういいながら優しく頭を撫でてくれる。
その手つきは優しくてだんだん瞼が重くなっていく。
「おやすみ、問。」
福良さんの優しい声が聞こえたと同時に僕は意識を手放した。
Fin.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷよーこ(プロフ) - さっき、新しいお話も読ませていただきました。仲良しな二人が、とにかく可愛くて可愛くて…。とても嬉しいです。いつもありがとうございます。ご無理のないペースで更新していただけたらと思います。 (2月2日 13時) (
レス) @page15 id: 7d400068d9 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぷよーこさん» ぷよーこ様、ありがとうございます！ついつい距離感近く書いてしまいますが、そう言っていただけて嬉しいです︎︎︎☺︎のんびり更新で申し訳ないですがまた読んでいただけたら嬉しいです♡ (2月1日 0時) (レス) id: 13b56e20e1 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - とても可愛くて素適なお話をありがとうございます。いつも仲良しな兄弟二人の距離が近ければ近いほど、とても嬉しいです。 (1月11日 0時) (レス) @page13 id: 7d400068d9 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぷよーこさん» ぷよーこ様、感想ありがとうございます。本当に嬉しいです！わたしも仲良し兄弟が大好きなのでこれからもhgs兄弟のお話が多くなるかと思います。また作品をあげていきますので読んでいただけると嬉しいです︎︎☺︎♡ (1月3日 17時) (レス) id: fdd41f0dc2 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - 仲良し兄弟の二人が大好きなので、可愛いmnちゃんと優しいgnちゃんのお話を読めて凄く嬉しいです。ありがとうございました。 (12月23日 20時) (レス) @page2 id: 7d400068d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まる | 作成日時：2023年11月28日 0時
