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「ああ…ミライがつかまったようじゃ。…A、一緒に行くか？」
大時計の前でのんびりしていたところ、そう声を掛けられる。
『んー…うん、現在の時計守に、会ってみたいな。』
「小生意気な小僧じゃよ。Aの方が何百倍も可愛い。」
くすくすと笑いながらおじい様に抱き着く。
『いこ、おじい様。』
「しっかり掴まっておれ。」
トンッ
軽い音がして景色が変わる。
どこかの教室、そこには時計守の子以外にもたくさんいた。
寧々ちゃんの寿命が残っていない…、そう聞こえた。
まぁ…そうでなければ、そういう家系以外で、私たちの姿が見えるはずないからね。
「言葉通りの意味じゃよ少年。」
カチコチカチコチと音がして、少年が縮む。
「今更お出ましとはいいご身分だな。最初からお前が来れば済む話だっただろうに…。
ほんッとイイ性格してるよね、過去。…と、誰を連れてるんだ。」
「お前…！A…！」
「Aさん…。」
ぴょーんぴょーんとミライちゃんがこちらに飛んでくる。
「Aー！ひさしぶり！怪異になってから会えなくて、とーってもさびしかったんだから！」
『ごめんねミライちゃん、今は他の人たちと一緒にいるの。』
「えー…もう一緒にいられないの？せっかく怪異になったのに…また一緒に時計守できないの？」
『ごめんね…。』
「また一緒に時計守って、まさか…、貴方が噂の…自ら時計守になった人？溺愛されてたとは聞いたけど、本当に仲いいんだ…？」
じろじろと見られて、思わずおじい様を掴む。
「これ、あまりAを見るでない。減るじゃろ。」
「どういうことだよ！！」
『…寧々ちゃん。』
ぽつりと呟いた私の言葉に、皆が寧々ちゃんを見る。
「そうだ！先輩…どうしちまったんだ…？おい花子、説明しろ！」
「…から、だから言ったのに、未来を司る時計守にヤシロが触られないように、注意して…って…。」
普くんは悲しそうな顔をしてそう言った。
そっと寧々ちゃんを壁に寄り掛からせ、何でもないように普くんは説明する。
寧々ちゃんの命が、もう長くないことを。
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作者名：カノン | 作成日時：2020年11月22日 3時
