【地縛少年】自由な君と相思相愛【花子くん】 (ページ1)

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私、八尋寧々は図書館からの帰り道をとぼとぼと歩いていた。

さっきは花子くんの彼女？と思われる女の子に牽制？されたし、花子くんについて結局聞けず仕舞いだった。

はぁ、とため息をつく。

『あの、ハンカチを落としましたよ。』

人気のない廊下で後ろから話しかけられる。
振り返れば、そこには中等部の制服に身を包んだ美少女がいた。

自分より少し小さい背、色白の肌、ほっそりとした手足
さらさらとした緑がかった黒髪のセミロング、ペリドットを嵌め込んだようなくりくりとした瞳
微笑む姿はまるで百合の花のよう…

すごく可愛い子！！！！！！
末恐ろしい程の顔面偏差値である。この子が高等部の生徒だったらモテクイーンの称号は彼女のものになってしまっていたかもしれない。

『あ、あの…？』
「ハッ…、ごめんなさい…あまりの衝撃に意識が飛んでいたの…。」
『ふふ、面白い人ですね。』

クスクスと美少女は笑いながら手に持つハンカチを差し出してきた。
それは確かに私のもので。

「拾ってくれてありがとう。落としたこと、全然気が付かなかった。」
『いいんですよ、それでは私は行きますね。
さようなら。』

軽く手を振って去っていく後輩をポーっと見つめ、またハッとする。

「名前聞くの忘れちゃった…、お礼、したかったのに…。」

でもあれだけの美少女なら、源くんに聞けばすぐにわかるよね。
明日にでも聞いてみよう、そう思いながら私は教室へと足を向けた。

なんとなく、瞳の色合いだけ、今日図書館で会った女の子に似ている気がした。