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3人でしばらく和やか…?に話していたが、姐さまは黒服さんに呼ばれて行ってしまった。
前田も大丈夫そうなので戻っていますと、一度刀に戻った。
中也お兄ちゃんは消えた前田にキョロキョロと周りを見ていたが、私が彼は刀の神様ですと言うと、少し怪訝そうな顔でそうか…と呟いた。
その顔は信じていないな…?
…まぁ、審神者では無い普通の人はそういう反応なのかな…。
何はともあれ、一つ歳を重ねた私なら、常に前田を顕現させるくらいの霊力はある。
しかし、前田は心配性なので必要な時にだけ出て来て、霊力の温存をいつも促す。
霊力が戻ったら、本丸も建てられるかな…?
皆を、取り戻せるかな…?
「…どうかしたかA。」
『え?』
「なんかうまく言えねぇけど…、表情が暗かった、気がした。
…俺と話すのつまんねェか?」
『そんなことないよ、ちゅうやお兄ちゃんとお話するのは楽しいよ。
ただ、だいじな家族のこと、思い出して…。』
家族、と中也お兄ちゃんは難しい顔をしている。
『ちゅうやお兄ちゃんには、だいじな人はいる?』
「……大事だった、になるけどな。」
『そう…なんだ…。
私ね、血は一滴もつながっていない家族がたくさんいるの。
いっぱいお世話してもらって、いっぱいめいわくをかけたのに、私、
私、
何も返せなないまま、皆とはなれた…!』
返すことも、
帰すことも、
還すことも、
出来ないまま、
あの場所に取り残してしまった。
『そんな身勝手なことをしたのに、
皆との
皆の心を言の葉でしばり付けて、
前田が来てくれて、
とっても嬉しくて、
皆に会いたくて…、
そんな資格が、あるはず、ないのに…。』
目元を押さえて溢れる涙を隠した。
いつもはそれを拭ってくれる前田は、
出てきてくれない。
私、呆れられちゃったかな…。
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暑さがヤバタニエン。
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Hi! - はじめのエリスちゃんの言葉にやられました。好きです! (2019年7月14日 23時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
しの - マッジで面白いねんけど 更新待ってますね (2019年7月12日 0時) (レス) id: 5129f74190 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - わさまんさん» それに気が付くとは…。知られたからには…。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - silentさん» ありがとうございます。いいことがあって悪いことがあったら次はまたいいことが来ますよ。例えば賽子6・6とか。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - KISH○W推し(女)さん» ちゅやはいいぞ。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カノン | 作成日時:2019年6月6日 19時