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『あの、わたし、みなさんのこともっとしりたいので、しつもんしてもいいですか…?』
軽い自己紹介のみでこの場所に連れてこられたので、もう少し詳しく知ろうとそう切り出す。
「もちろんいいわよ!座りながらお喋りしましょうよA!
リンタロウお茶用意して!」
「エリスちゃんは紅茶だね!Aちゃんは緑茶がいいかな?それとも一緒に紅茶にするかい?」
『あ、えと、それではりょくちゃを…。』
「最高の玉露を淹れてあげるからね!」
「なんかAちゃんお年寄りみたいだねぇ、あ、僕はコーヒーね。」
「太宰君は自分で淹れ給え。」
けちーと頬を膨らませた治お兄ちゃんは、ぶつぶつ言いながら自分でコーヒーを淹れている。
「それでAはなにが知りたいの?」
ソファーに座るように促され座ると、エリスお姉ちゃんが口を開いた。
『えと、このビルのこととか、エリスおねえちゃんたちのかんけいとか…?
あ、あとおさむおにいちゃんがいった、いのうりょく…とか・・・。』
「ふむ…これは言ってもいいことなのかねぇ…。」
「カミサマ的にはどうなのか聞いてみたいよね。」
視線が私へと突き刺さる。
『あ、えと、まえだ…よびますね。』
短刀を膝に置き、パンッと柏手を打つ。
『きて、
まえだとうしろう。』
ふわりふわりと桜が舞い、トンッと軽い音をさせ前田が私の傍に降り立った。
「お呼びですか主君。」
二コリと微笑まれ、コクコクと頷く。
『あのね、まえだにききたいことがあるんだって。』
くるりと顔をおじ様やお兄ちゃんの方へと向ける前田。
「それで聞きたいこととはなんでしょう?」
「美少年の真顔って怖いなぁ。」
「Aちゃんの質問に答えたいのだけど、どう答えたらいいかわからなくてね、カミサマ、に確認を取りたかったのだよ。」
「…そうですか。それでは僕を通して主君にはお伝えしますね。」
コソコソ、コソコソと2人と1振りが内緒話をしている。
・・・仲いいなぁ…。
「…わかりました。
主君、先ほどの主君の質問の答えですが、このビルは港の貿易会社のビルだそうですよ。
そしてこの方は社長、そして部下の方、あとは社長のお嬢さんだそうです。
異能力についてですが、まぁ、超能力というか、とにかく摩訶不思議な能力、とのことでした。」
「あっ、職業はカミサマ検閲に引っかかったんだ…。」
「エリスちゃんは娘じゃ…何でもないよ。」
前田がニッコリと笑いかけている。なにかいいことでもあったのかな。
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Hi! - はじめのエリスちゃんの言葉にやられました。好きです! (2019年7月14日 23時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
しの - マッジで面白いねんけど 更新待ってますね (2019年7月12日 0時) (レス) id: 5129f74190 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - わさまんさん» それに気が付くとは…。知られたからには…。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - silentさん» ありがとうございます。いいことがあって悪いことがあったら次はまたいいことが来ますよ。例えば賽子6・6とか。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - KISH○W推し(女)さん» ちゅやはいいぞ。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カノン | 作成日時:2019年6月6日 19時