検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:7,674 hit

10 ページ10

『皆、紅茶が入ったわぁ。』
「ありがとう、母さん。」

嬉しそうに笑うAさんを微笑ましそうに彼は見つめる。

『皆でなんのお話をしていたの?ママも聞きたいわ。』
「秘密、だよ。男同士の話なんだ。」
『あら、ママだけ除け者なの?悲しいわ。』
「ごめんね、母さん。でも男はプライドで生きてる生き物だからさ。」
「それは同意します。」
「確かにそういうところがある。」
『そうなの…?ママもまだまだ勉強不足なのね。
あ、これが男の友情というやつね?この前ドラマで見たわ。』

ちょっと違うような気もするが、彼女が笑ってくれるなら構わない。

「じゃあ、改めて自己紹介しようか。
オレは杉沢和人。
前世は母さんの子供たちのうちの一人で、カズトって呼ばれてた。まぁ、今もカズトって名前だけど。
レストランとカフェ、あと料亭の経営もしている。」
「阿鳥遥斗です。今はホテルのコンシェルジュをしています。母上の元子供です。今世も母上の子供でいたいです。」
「大外聖生、医大生です。Aさんとは運命の出逢いを果たしました。運命の赤い糸は信じてます。」
『阿鳥Aです。釈迦如来様が、ハル君の従兄妹に転生させてくださったの。
今は現世をお勉強中よ。』

さらりと自己紹介してくれるAさんは流石だと思う。

「それで、カズトさんは母上にカフェをあげたとか?」
「え?ああ、うん。そうだよ。今丁度オープンする店があるんだけど、ここから近いし、母さんにプレゼントしようと思って。経理とか経営事態は面倒だからオレの方でやるけどね。」
「いいんですか?色々処理とか面倒でしょう。」
『そうなの?カズ君、無理してはダメよ?』

Aさんがそう言うと、カズトさんはへにゃりと顔を緩ませて笑う。

「オレが母さんにプレゼントしたいだけだから。
それにね、オレがカフェで母さんの作った物を食べたいんだ。毎日お邪魔するわけにもいかないしね。」
『まぁ、そうなのね…。』

毎日訪れている僕らはそっと視線を逸らした。

「あと、オレ結婚してるんだ。子供も一人いる。
家族に、母さんの料理を食べさせてあげたいんだ。」
『…嬉しい。ママ、本当に嬉しいわ…。
カズ君、とっても幸せなのね。』
「ああ、母さんの元にいた時と同じくらい幸せだよ。
ありがとう、ずっと言いたかったんだ。オレ、母さんの子供で幸せだった。
これからも、オレを、オレ達家族を見守ってくれると嬉しい。」
『…っママは、いつでも可愛い子供達を想っているわ。』

11→←9



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
43人がお気に入り
設定タグ:誰ソ彼ホテル , 大外聖生 , 阿鳥遥斗   
作品ジャンル:ミステリー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

カノン(プロフ) - 愛維音さん» 作品を面白いと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます!のんびりだとは思いますが、これからも更新頑張っていきます。 (2018年9月1日 20時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
愛維音 - めっちゃ面白いです!!!更新頑張ってください(。・ω・。) (2018年9月1日 16時) (レス) id: 47a8c236a5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:カノン | 作成日時:2018年8月14日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。