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荷解きが終わり、マンション周辺を散策する。
遥斗さんおススメの喫茶店、本屋、コーヒーの専門店など色々教えてもらったので、今度行こうと思う。
まさかストーカーせずに遥斗さんのオススメを知られる日が来るとは思わなかったな。はは。
「そういえばAさん、この一週間でこの暮らしにも慣れたの?」
元々は神様なのだから、今の生活に慣れるのか心配だった。
もちろん僕が手取り足取り教えるつもりだった。
『ええ、だいぶ慣れたから大丈夫よ。心配してくれてるのね、ありがとうまー君。』
そう言って微笑まれれば、僕は黙ってしまう。
「聖生くん、言っておくけど母上のスペックは俺以上だよ。俺でさえ教えた事は電化製品の扱いくらいだったからね。後は雑誌やらテレビやら井戸端会議やらで色々学んでるよ。それはもう着実に。」
「ちょっと待ってくださいよ、住んで一週間で既にご近所の奥様たちの井戸端会議に交わってるんですか?」
「?母上だからね。」
なんで誇らしげなんだ。
『皆色々教えてくれるから、話していて楽しいし勉強になるのよ?あと悩みごととかも色々あるみたいだから、それを聞いたりしてるの。
今度お茶会があって、それにもお呼ばれしたのよ。』
なんてコミュニケーション能力なんだ。
流石元鬼子母神様だ。
母親歴(ガチ)が違いすぎてご近所の奥様も骨抜きじゃないか。
「母上、俺のことも構ってくださいね。」
自然な動作でAさんの手を取った遥斗さん。
しかも恋人繋ぎ。百戦錬磨過ぎるだろ。
負けじと僕も逆の手を取りAさんに微笑む。
「そうだね、僕も構ってほしいな。
あ、今度デートしよう?」
「息子同伴するからね?」
「…。」
イケメンの真顔って迫力があって怖いな。
『お出掛けしたいのね?いいわ、ママに任せて。
今度ねこちゃんとルリちゃんも連れて皆でお出掛けしましょう!』
「いや僕はAさんと二人きりが…」
「良いね、決まったら教えてほしいな。休み取るから。」
「…。」
Aさんと出かけられるのは嬉しいが、なんかもうこのメンバーで1セットの括りにされている気がする。
遥斗さんを恨みがましく見てみれば、それはそれは美しい笑顔を返された。
重度のマザコン過ぎる。
前世の僕は気付かなかった事実だ。
「前途多難だなぁ…。」
僕は小さな声で呟いた。
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カノン(プロフ) - 愛維音さん» 作品を面白いと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます!のんびりだとは思いますが、これからも更新頑張っていきます。 (2018年9月1日 20時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
愛維音 - めっちゃ面白いです!!!更新頑張ってください(。・ω・。) (2018年9月1日 16時) (レス) id: 47a8c236a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カノン | 作成日時:2018年8月14日 14時