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ニ度目の人生、二度目の生活。

それはまさに順風満帆だった。



…ただ一つを除いては…。


「Aさん、大好きです。僕と一緒に神奈川に住みましょう。」
「母上、…じゃなかった、Aさん駄目です、俺と一緒に東京に帰りますよ。作られたカードにも東京って住所が書いてあるでしょう?」
「なんでだ…!」
『あらあら、本当ね。』

Aさんが目覚めた後、あの男、釈迦如来様が狙ったかのように出てきた。

そしてAさんはもう、鬼子母神ではないただの人間だということを説明された。

時間を戻すのに、鬼子母神の神様としての力と命をすべて使い果たしたAさんは、釈迦如来様の力により人間として転生したようだ。

転生させてくれたことには感謝する…!
だけどなんでよりにもよって…!

「同じマンションの部屋が隣同士で、しかもいとこ設定はずるいじゃないか!」

作られた保険証のカードには、ほぼ同じ住所で年齢は遥斗さんの1つ下の25歳、名前が阿鳥A、と書かれていた。
理由を聞いたら、遥斗さんは元々鬼子母神としてのAさんの子供だったらしく、そこから離れて阿鳥遥斗に転生したらしい。
だから、もうそのまま親族でいいか、という軽いノリで作られたみたいだ。

「神様が決めたことだからあきらめて。」
「嫌です、ずるい。」
『あらぁ、困ったわねぇ…。』
「まぁまぁ、落ち着いて下さいよ。いいじゃないですか、家族ってことでしょ?
恋人ポジション狙いましょうよ大外さん。」

塚原さんの発言にジト目を向ける。

「…塚原さん、知ってるかい?」
「はい?」
「いとこ同士は、結婚できるんだよ。」
「マジですか。」

大マジだよ。だから焦っているんじゃないか。

「ああもうこれじゃあ埒が明かないじゃない!そんなに気にくわないならいっそのこと東京にでも引っ越せば!?」

キレたルリさんが大声を上げる。
僕は目をぱちくりとさせた。

「それだ!」


僕の通う大学は東京からでも実家からでも、どちらにしろ同じような距離だ。
それならばいっそ引っ越してしまおう。

「…えっ?本当に引っ越すの?」
「あーあ、ルリさん、やっちゃいましたねぇ。あれは本気ですよ。」
「ええっ!?嘘でしょ!?」
「ルリちゃん…、なんでそんな事言っちゃったんだ…。」
「ええっ…!?私のせいなの…!?」


ルリさんの動揺する声が聞こえる。
違う、ルリさんのせいではなく、ルリさんのおかげなんだ。

皆楽しそうねぇと、Aさんは優しく笑った。

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設定タグ:誰ソ彼ホテル , 大外聖生 , 阿鳥遥斗   
作品ジャンル:ミステリー
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カノン(プロフ) - 愛維音さん» 作品を面白いと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます!のんびりだとは思いますが、これからも更新頑張っていきます。 (2018年9月1日 20時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
愛維音 - めっちゃ面白いです!!!更新頑張ってください(。・ω・。) (2018年9月1日 16時) (レス) id: 47a8c236a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カノン | 作成日時:2018年8月14日 14時

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