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え、いや、なんで私照れてんの?
意図せず染まった頬に自分でも動揺した。
中学は女子校だったし、男の人の力を感じることは少なかった。
そのせい、かな……?
今さら男の人だって実感して恥ずかしくなったとか……?
はて?と首をかしげながらホットミルクを口に運んだ時、
-
-
ポンッ!
「うひゃぁ?!」
急に後ろから肩を叩かれ、驚いた私は思わず大声を上げた。
同時にホットミルクが手から滑り落ちる。
-
-
バシャッ
「あっ」
マグカップはテーブルに落下してことんと倒れ、
中のホットミルクは見事に全部こぼれた。
-
旭「わ、ご、ごめん!! そんなに驚くと思ってなくて!
あぁぁこぼれちゃった……拭くもの拭くもの……」
後ろから現れたのは、旭さんだった。
単に話しかけようとして肩を叩かれたのに、私が死ぬほど驚いたらしい。
慌ててキッチンのタオルを持ってきた旭さんは、申し訳なさそうにテーブルを拭き始めた。
旭「ごめんな、Aがいるのが見えたから話しかけようと思ったんだけど、
驚かせちゃったな。せっかく飲んでたのに……
服とかにかかってない?」
「大丈夫ですよ。どうしたんですかこんな時間に」
時間はもう23時を軽く過ぎている。
澤村さんが「早く寝ろよ」と怖い顔で釘を刺していたから、
もうとっくにみんな寝ているかと思っていた。
旭「俺、枕変わっちゃうと寝つき悪くてさ。
飲み物でも飲もうかなと思って降りてきたら、Aがいたから」
テーブルを拭き終えた旭さんはそう言うと、
倒れた私のマグカップを手に取ってキッチンへ向かった。
旭「飲んでたのってホットミルク?」
「あ、そうです。いつも寝る前には飲んでて」
旭「あぁ、俺と一緒だ。こだわりとかなかったらAの分作り直すよ」
そんな、と遠慮しようとしたけど、「せめてもの罪滅ぼしだよ」と言いながら眉を下げたあの笑顔を見せられると、なんだか断りきれなくて。
「じゃあ……お願いします」
ホットミルクの甘い香りが、食堂を包む。
2人分のホットミルクを慣れた手つきで作る旭さんの腕の筋肉を見て、
さっきの記憶がまたよみがえって、
1人で少し恥ずかしくなった。
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Rn(プロフ) - 続きを待ち侘びております…、無理せずに頑張ってください! (2021年7月13日 18時) (レス) id: 0970343196 (このIDを非表示/違反報告)
とぴ(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!長らくお待たせしてしまってすみません(´;ω;`)これからもがんばります! (2021年7月5日 14時) (レス) id: 3e972700e7 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - もう更新されないんですか?楽しみに待ってます! (2021年5月23日 11時) (レス) id: 960a4eb808 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とぴ | 作成日時:2020年12月7日 21時