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「…お前ほんま俺の曲好きやなぁw」
『うん。大好き』
「っ…へー、」
茶化すように返しても真剣に返ってくる返事に思わず照れてしまって、元々目なんか合わせちゃいないけれど顔を背けた。
『あれ？照れてんの？w』なんてそれを気が付かれていることに余計に顔の赤みは増していって、それに小瀧は『かわい、』なんて呟くように甘い声を出した。
『…しげなんか最近かわいいよなぁ。んなことしてると男に狙われんでw』
「何言うてん、ねらわれんわ…、」
『んなかわいい顔で言われても説得力ないど？』
「俺のことかわいいとか言うてんお前だけや、あほ」
『いーや、言うてへんだけでみんな思てるな、絶対』
「…、」
『なんで睨むん？w』
振り回されてアタフタしてんのは俺だけで、余裕そうに俺をからかう小瀧がなんだかムカついて、ギロっと睨みをきかせてもなお、小瀧はニコニコと甘い視線を向けてくる。
俺の事、大好きやん。
「…お前こそそんな甘々な目線ばっか向けてると勘違いされんで」
『え？』
「お前のこと好きやーって目が言うてんねん。いつかほんまに好きになられんぞ」
『…俺そんな目してる？そんなつもりないねんけどなぁ、』
「……俺にだけしてる」
『え、』
「多分、俺にだけしてる。……たぶん」
言いながら、自信がなくなった。
だって俺は男で、小瀧にとっては先輩でありメンバーでもあるわけで、そんなやつをわざわざこのごっつイケメンが好きになるとは思えない。
色んな美女たちと共演してきた、高身長で甘いフェイスの優しい彼、言ってしまえばよりどりみどりな彼が、だ。
『…バレてんの、？』
「え、」
『うっわ、はず…。顔あっつ…』
けれどそんな俺の心配と裏腹、小瀧は手の甲を両頬にあてがって、赤らんだ頬の熱を下げるようにしていた。
あまりにも予想外の反応に、なんだか俺までつられて赤面してしまう。
『まぁ、そやな、。しげにはしてるんやろな…』
未だ『はずぅ…』と呟きながら俺を見る小瀧の目は、やはり柔らかくとろけていて、その背面にある鏡にうつった俺もまた、同じ目をしていた。
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作者名：ゆうま | 作成日時：2023年5月1日 18時
