短編集 (ページ22)

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あれから何日、何週間と経っても、小瀧からの返事はもらえることがなかった。

いいとも嫌とも言われないまま俺のドラマ撮影もクランクアップし、悩まされた疲労や寝不足も解消された。

返事こそされないものの、逆に返事をされないということはやはり断られたのだろうと、そう察するのは安易だった。

「おはようございまーす」

黄「おはよう。ドラマと映画おめでとう」

橙「おはよーさん。またしげ忙しなるなぁ」

紫「ほんま誇らしいことやで！」

ある日、楽屋に入ると皆が口々にお祝いしてくれた。

そう。

最近撮っていたドラマはクランクアップしたものの、また新しいドラマと、そしてそれとは別に映画まで決まった。

嬉しさと楽しさの反面、2つもの演技の仕事を抱えて、俺は壊れてしまわないんだろうかという一抹の不安もあった。

「みんなありがとう。頑張るわ！」

緑「頑張りすぎもあかんからな」

青「せやで、たまには息抜きもしぃや」

「はいはい、流星に言われんくても分かってますー」

『…しげ』

「ん？」

『ほんまにおめでとうな』

「うん、ありがとう小瀧」

『ほな一緒に住もか』

「うん。………うん、？」

思わずそのまま流してしまいそうになって、「待って、今なんて言うた…？」なんてもう一度聞き返した。

けれど聞き返したところで小瀧の言っていることは変わらなくて、『一緒に住もって』なんて繰り返されて、空いた口が塞がらなかった。

メンバーたちも皆、困惑している。