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「……俺は、1年くらい前に2人で小瀧ん家で宅飲みしたんすけど、そん時かな」
ラ「なるほど、宅飲みですか。それは何か深い話をしたりしたんですか？」
「そうっすね。あんま詳しくは言えないですけど、俺にとってはずっといい思い出ですね」
「小瀧はどうか知らんけどw」と笑うしげは、膝の上で握りしめた拳を、ほんの少しだけ震わせていた。
多分、しげの言う宅飲みの日は、俺が酒に酔った勢いで告白をしてしまった時のこと。
しげにとっていい思い出だなんて、そんなわけあるはずがないのに、少しだけ舞い上がる自分に腹が立つ。
もう終わった関係に一喜一憂する自分を、酷く滑稽に思った。
『…俺はあん時のは恥ずかしいかなぁ、。結構熱いことも言ってたんで』
ラ「それも含めていい思い出じゃないですか！」
『そっすかねぇ、』
ラ「では小瀧さんにとっての一番の思い出はなんでしょうか？」
『んー、俺はそやなぁ…。しげの曲を褒めたりするとね、それが嬉しかったってしげが抱きついてくることがあったんすよ。あれは可愛かったなって、今も思いますね』
ラ「なるほど！本当に仲がいいですね」
ニコニコと、本当に微笑ましいと思われているのだろう。
穏やかな笑顔を浮かべるライターさんを見て、ふとしげはどんな表情をしてるんだろうとそちらを見やれば、なぜかしげは顔を隠すように俯けていた。
ラ「では最後になりますが、お互いに普段伝えられないことを伝えあっていただけますか？」
『ふはw めっちゃ恥ずいっすね、それ』
ライターさんの最後の要求を聞いたしげは、切り替えるかのように「ふぅ…」と小さく息をついて、次に顔を上げた時にはいつもと何ら変わらない重岡大毅に戻っていた。
その普段のふざけた姿とは真逆、実は真面目で切り替えの早いしげは俺の大好きなしげのままで、思わずまた苦しくなった心臓に、俺も『ふぅ…』と息をついた。
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作者名：ゆうま | 作成日時：2023年5月1日 18時
