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ページ18

「んぁ、?誰やろ…」

『ほい』

「ありがと」



こんな体制なのだからそらそうだが、スマホを取りづらそうにしていたので取ってやれば、画面を確認したしげは「あぁ、なんや、照か」なんて先程の甘ったるい声とはまた違った優しい声で呟いた。



「もしもし。なにぃ?…明日?なんかあるん?…あー、ええやん。何時?」



声色は恋人とのそれではなく、友達とのそれ…まぁ少しそっけない感じの声になっているのに、体制も俺との距離もそのままなのだからちょっと面白い。

指でちょろちょろとうなじを触られるのがこしょばくて、ぺちっと頭を叩けばしげはにかっといたずらっ子のように笑った。


ほんまこいつ。



「…あー、その時間なら場所によっては行けるわ。どこ?…いつもの?あぁ、おっけ、ほなら行ける」



「じゃあまた明日な。はいよー」なんて電話を切った途端、また甘い声に戻ったしげは、「さっきのこしょばかったぁ?w」とけらけら笑っている。



『当たり前やんけ』

「んふw 明日ひかると飯いってくる」

『ん、楽しんでな』

「うん。…あぁ、めっちゃねむなってきた、」

『ほんまや、それもう目ぇあいてへんやろw』

「あいてんで、ほら!」



目をガン開きにして、ほぼゼロ距離ともとれるくらいまで顔を近づけてくるしげ。

そのふざけた顔がなんだかムカついて、ちゅっと唇にキスをすれば、しげは顔を真っ赤に染めてはくはくと口を動かした。



「おまっ…、もぉ…、こたき王子様やん…」

『なんやねんそれw』

「…なぁ、もっかい、」



きっと自分がかわいいことは分かっている。

わざわざ腰を丸めて、上目遣いになるように見上げてきたしげは、俺にお強請りをしてから、焦らす俺にもう我慢が出来ないとでも言うように唇を重ねた。



『…かわい』

「おれかわいい?」

『悔しいけどな』

「なんで悔しいねん!絶対一言余計やろ!」



ケラケラと輝く笑顔で笑うしげは、やっぱりあざとくて、やっぱりかわいい。

ゆめうつつ→←俺限定の一面



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作者名:ゆうま | 作成日時:2023年5月1日 18時

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