05.黒い感情 ページ5
〆．
「重岡くんも男だし？うちら誘えばいけんじゃない？」
「だよねー、イケメンとやったとかステータスでしかないわ」
「さっきトイレの前にいたよね？隣に彼女いなかったし、チャンスじゃない？」
「待って待って、リップ塗り直してから……」
わけのわからない、
どす黒い感情で全身覆われてるみたい。
大毅くんとしたいの？無理だよ？
彼は私以外抱かない。
彼に愛されるのは私だけ。
これ以上ないほどの苛立ちを覚えつつ、個室から出た。
手を洗って、ハンカチで拭いて。
女子二人がこそこそ、私の方を窺いながら話してる。
私は何事も無かったかのようにその場から去った。
「あ、A〜」
大毅くんは男友達と話していたらしい。
ちょっと奇抜な男の子に手を振っていた。
私はその手を強引に掴んで、早足で歩き出す。
「ちょ、A？」
「…………………」
イライラする。
嫉妬？そんな軽いもの？
もっともっともっと汚くて……
ああ、そうか。
殺意だ。
さっき抱いた感情は、殺意に近かった。
彼女たちが、二度と大毅くんと関わらないようになればいいと思った。
例えば、死ぬとか。
「A、なあ、」
少し動揺した大毅くんの声に、ハッとする。
「あ………」
「A、どうしたん？何かあった？」
ほら、優しいでしょ。
私は何も言えなくて、大毅くんもそれ以上は何も聞かなかった。
ちゃんと手を繋ぎ直して、帰路を歩く。
「……大毅くん、もし私が他の男の人に抱かれたら、どうする？」
「どうする、って……」
ようやく声を発したのに、こんな内容で驚いたかな？
大毅くんは考える素振りも見せず、あっけらかんと答えた。
「殺すかな。相手の男を、この手で」
お互いの顔は見ないまま。
私の胸は高鳴った。
一緒だね。
「良かった」
「こわくない？」
「こわくないよ、嬉しいから」
きっと大毅くんは受け入れてくれるだろう、
私が抱いた真っ黒な感情を。
「あのね、さっきね」
女の子たちの会話の内容を伝えると、大毅くんは無表情になった。
そこから私の家に着くまで無言。
「私の部屋で待ってて、お茶いれてくるから…っ、」
キッチンに向かおうとした私を、大毅くんのたくましい腕が引き留める。
「もう、我慢できひん……」
〆．
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恋音(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!もう、ハラハラドキドキでした！(笑)anotherstoryもみてみたいなぁ…なんて思っていまして…。(笑)これからも頑張ってください!! (2018年8月14日 11時) (
レス) id: 719aff63d3 (このIDを非表示/違反報告)
有岡毅菜/ありきな(プロフ) - 完結おめでとうございます！！ほんまにこの小説、作者様のファンでした！（笑）終わってしまうのがほんまに名残惜しいです（涙）しげちゃんのへの私の愛がより一層深まりました！こんな素敵な小説を書いてくださりありがとうございました！これからも頑張って下さい！ (2018年5月7日 21時) (レス) id: 307b6fc2e6 (このIDを非表示/違反報告)
優衣(プロフ) - この作品好きでした！重岡くんと狂愛の組み合わせが最高に良くて、最後の心中も私の中ではスッキリした終わり方で満足です！完結お疲れ様でした (2018年5月7日 0時) (レス) id: 53d8d3bdbc (このIDを非表示/違反報告)
しらたま(プロフ) - 完結おめでとうございます！バットエンドのようなしかし、二人にとってはメリーバットエンドな展開最高でした！！ 第三者目線のアフターストーリーも見て見たいなあと個人的に思います(*'▽')笑 これからも素敵な作品を楽しみにしています応援していますね！ (2018年5月6日 20時) (レス) id: 289b961369 (このIDを非表示/違反報告)
詩織(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます(*´-`) 重岡くんと狂愛というイメージがマッチしすぎていて、この作品が本当に大好きです。話を読み進める手が止まりません。お忙しいとは思いますが、これからも無理せず更新を続けてください(*´-`)/！応援しています！ (2018年1月16日 23時) (レス) id: c157ef172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はゆな
| 作成日時：2017年11月1日 0時
