28.プレゼント ページ28
〆．
お店の外は寒くて、なんだか私の心みたいだった。
マフラーの入った袋を抱えて、どこかカフェでも入ろうかと歩き出すと、
「A！！！」
「………………っ、」
愛しい彼の姿が目の前に現れた。
……どうして。
「大毅くん……」
「はぁっ、はぁっ、照史からっ、連絡来て……っ、」
肩で息をしながら、大毅くんは私の方を真っ直ぐ見つめる。
「なあ………お願いやって……」
大毅くんとの距離がどんどん縮まる。
「一ヶ月キスできひんなんて無理や、俺、死んでまう………」
抱き寄せられて、そのまま大毅くんの腕の中。
この温もりに、ただただ甘えていたい。
「私だって無理だよ……っ」
背中に手を回すと、余計に密着した。
大毅くんの吐息が耳に当たってくすぐったい。
だけどたまらなく心地いい。
「………ん？これ何？」
「あ、ええと」
クリスマスはまだだけど、いいかな。
「……大毅くんに、クリスマスプレゼント」
「え、まじで！？やった、うわマフラーやん！！A、愛してるっ！」
大袈裟だなぁ、と思いつつ、やっぱり嬉しい。
早速、何も巻いていない大毅くんの首に、赤いマフラーがつけられる。
「どう？どう？」
「似合ってるよ。赤にしてよかった」
「へへっ」
喧嘩なんて、なかったみたいに。
「……大毅くん、ごめんね」
「もうええから。キスお預けなし？」
「なしっ！」
「よっしゃあ」
ニコッと笑った大毅くんは、反応する間もなく私の唇にキスを落とした。
優しい優しいキス。
これが一ヶ月もないのは、やっぱりつらいなぁ。
「………ねえ、大毅くん」
「ん？」
「私ね、たまに不安になるの。大毅くんが素敵だから……私なんか、釣り合ってないんだろうなって」
「…………なんや、それ」
「だけど、大毅くんが私のこと選んでくれたから………だから………。私は、大毅くんに愛されてるって、何があっても思うようにしたの」
「………そりゃそうやろ、俺はAのこと愛してる。Aを愛してへん俺は、俺やない」
きっと大丈夫。
大毅くんの言葉を、ちゃんと信じよう。
「私も、大毅くんだけを愛してるよ」
愛しくて。
切ないほどに。
さっき照史さんに言われたことなんて忘れて、
今日も私達はお互いを求め合った。
〆．
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恋音(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!もう、ハラハラドキドキでした！(笑)anotherstoryもみてみたいなぁ…なんて思っていまして…。(笑)これからも頑張ってください!! (2018年8月14日 11時) (
レス) id: 719aff63d3 (このIDを非表示/違反報告)
有岡毅菜/ありきな(プロフ) - 完結おめでとうございます！！ほんまにこの小説、作者様のファンでした！（笑）終わってしまうのがほんまに名残惜しいです（涙）しげちゃんのへの私の愛がより一層深まりました！こんな素敵な小説を書いてくださりありがとうございました！これからも頑張って下さい！ (2018年5月7日 21時) (レス) id: 307b6fc2e6 (このIDを非表示/違反報告)
優衣(プロフ) - この作品好きでした！重岡くんと狂愛の組み合わせが最高に良くて、最後の心中も私の中ではスッキリした終わり方で満足です！完結お疲れ様でした (2018年5月7日 0時) (レス) id: 53d8d3bdbc (このIDを非表示/違反報告)
しらたま(プロフ) - 完結おめでとうございます！バットエンドのようなしかし、二人にとってはメリーバットエンドな展開最高でした！！ 第三者目線のアフターストーリーも見て見たいなあと個人的に思います(*'▽')笑 これからも素敵な作品を楽しみにしています応援していますね！ (2018年5月6日 20時) (レス) id: 289b961369 (このIDを非表示/違反報告)
詩織(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます(*´-`) 重岡くんと狂愛というイメージがマッチしすぎていて、この作品が本当に大好きです。話を読み進める手が止まりません。お忙しいとは思いますが、これからも無理せず更新を続けてください(*´-`)/！応援しています！ (2018年1月16日 23時) (レス) id: c157ef172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はゆな
| 作成日時：2017年11月1日 0時
