16.新居 ページ16
〆．
大毅くんと同棲する家に、正式に住むことになった。
お父さんがいないタイミングで荷物をすべて持ってきたり処分したりして、
私だけ先に引っ越しを完了させた。
大毅くんのお母さんが入院したら大毅くんもすぐにこっちで暮らせるよう二人で準備してる。
収入ゼロで生きていけるわけもないから、大毅くんはバイトを始めた。
少しでも手助けをしたくて、私もバイトを始めると言ったけど、大毅くんはそれを良しとしなかった。
……理由はだいたいわかるけど、それなら私だって。
モヤモヤしながら、誰もいない家を見回した。
家具もインテリアも、全て私好み。
これだけ揃えるには、相当なお金が必要だっただろうに。
それに、この家は2LDKだ。
個人の部屋も一応いるという意見の一致でこうなったけど、勿論家賃もそれなりにする。
大毅くん一人にバイトしてもらってるのが本当に申し訳なくて……。
「ご飯、作ろうかな……」
バイト終わりに大毅くんが来てくれるかもしれないから。
もちろん、そのまま実家に帰ってしまうかもしれないけれど。
二人分の晩ご飯を用意して、また大人しく部屋の中央に座る。
新居なのだから当たり前だけど、
大毅くんの匂いはしない。
大毅くんに会いたくて会いたくてしかたない。
ケータイを見てみても、バイト中の彼から連絡があるはずもなく……。
「………いつ終わるのかな」
『会いたいよ』
そのメッセージを、打っては消してを繰り返した。
「ああ、もうっ！」
私ってめんどくさい女だなぁ。
普通に甘えられたらいいのに。わがまま言えたらいいのに。
頭を抱えていたら、玄関の外でガサガサと音がした。
そしてドアが開いて………
「A〜」
「だっ、大毅くん！？」
愛しい声にいてもたってもいられなくなり、慌てて玄関まで駆けた。
「おかえりなさいっ！」
「ふふっ、ただ〜いま」
ぎゅーって。
「はあ、幸せやなぁ……。Aがこうしておかえりって言うてくれるん」
「えへへ………大毅くん、会いたかったよ」
「…………可愛すぎやろ」
すっかり冷えてる大毅くんをリビングまで引っ張る。
「ご飯作ったけど食べる？」
「食べるー！！Aのご飯ー！！」
愛しくて。愛しくて。
大毅くんの足を切り落として、どこにも行けないようにしてしまいたい。
〆．
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恋音(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!もう、ハラハラドキドキでした！(笑)anotherstoryもみてみたいなぁ…なんて思っていまして…。(笑)これからも頑張ってください!! (2018年8月14日 11時) (
レス) id: 719aff63d3 (このIDを非表示/違反報告)
有岡毅菜/ありきな(プロフ) - 完結おめでとうございます！！ほんまにこの小説、作者様のファンでした！（笑）終わってしまうのがほんまに名残惜しいです（涙）しげちゃんのへの私の愛がより一層深まりました！こんな素敵な小説を書いてくださりありがとうございました！これからも頑張って下さい！ (2018年5月7日 21時) (レス) id: 307b6fc2e6 (このIDを非表示/違反報告)
優衣(プロフ) - この作品好きでした！重岡くんと狂愛の組み合わせが最高に良くて、最後の心中も私の中ではスッキリした終わり方で満足です！完結お疲れ様でした (2018年5月7日 0時) (レス) id: 53d8d3bdbc (このIDを非表示/違反報告)
しらたま(プロフ) - 完結おめでとうございます！バットエンドのようなしかし、二人にとってはメリーバットエンドな展開最高でした！！ 第三者目線のアフターストーリーも見て見たいなあと個人的に思います(*'▽')笑 これからも素敵な作品を楽しみにしています応援していますね！ (2018年5月6日 20時) (レス) id: 289b961369 (このIDを非表示/違反報告)
詩織(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます(*´-`) 重岡くんと狂愛というイメージがマッチしすぎていて、この作品が本当に大好きです。話を読み進める手が止まりません。お忙しいとは思いますが、これからも無理せず更新を続けてください(*´-`)/！応援しています！ (2018年1月16日 23時) (レス) id: c157ef172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はゆな
| 作成日時：2017年11月1日 0時
