聖女に世界は救えない ページ43
やっと希望が見えた気がした。
きっと偽茶番ちゃん………いや、今は悪魔と呼ぶべきか…………は、本物の茶番ちゃんの力があれば倒すことが出来る。
もし彼女を倒すことが出来たなら、この世界に蔓延している悪気だってなくなるはずだ。
そしたら私がここにいる意味はなくなる。この世界から離れることが出来る。
そしたら、私はきっと………………………
「まずはあの性悪悪魔をどうにかしないとね！！！」
『うん！』
茶番ちゃんに連れられて、この迷路のような図書室を抜け出す。
その道のりの中でゾムには1度も会わなかったから、きっと彼はもうこの部屋から出ていってしまったのかもしれない。
最後に見た彼の切なそうな表情を思い返す度に胸は痛むが、今は仕方が無いと頭を振った。
『あの悪魔を倒すための策はあるの？』
廊下を駆けながら茶番ちゃんに問いかける。
きっと彼女なら素晴らしい最善の策を、なんなら私にだって簡単に出来るリスクの低い方法を提案してくれる。そう楽観的に思っていた。
…しかし、この世界はそう簡単に出来ているわけではなかったらしい。
ちらりと視線だけこちらに向けた茶番ちゃんは少し眉を寄せて小さく唸った。
その行動に嫌な予感がして私は息を飲む。彼女のなんとも言えないその表情は、私の不安を煽るには十分のものだった。
「…んー、ないことはないわ！！だけど確実とは言えないわね！これはあなたの力量にかかってるから！」
『…私の？』
「そう！天使は基本悪魔に強く干渉することは出来ないの！！直接攻撃を加えたりすると、天界法で裁かれちゃうし！天界と下界は普通は干渉しあっちゃダメ！そういうもんなの！！けどあなたは違う！天界の種族ではなく、かと言って下界と干渉できない立場の種族でもない！“聖女”というカテゴリーに含まれる、特別な存在なんだから！！」
何故か自慢げにそう語る彼女。
しかし残念ながら私には彼女の言っていることが何一つ理解できていなかった。
なんで下界に攻撃されているのに反撃すらしちゃいけないのかも、どうして私だけ下界に干渉できるのかも、なぜ私は普通の人間とは違う種族みたいな言われ方をしているのかも、全て理解できない。
その言い方じゃあまるで私は人間じゃなくて“聖女”っていう種族みたいじゃないか、と不満を感じながらも、私は何も言えなかった。
…なんて私は臆病なんだろう。
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マーシャ(プロフ) - Raiさん» ありがとうございます！遅くなってすみません！がんばりまーす！ (2020年2月16日 17時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
Rai(プロフ) - 更新再開ｯｯ.......！？嬉しいです！！待ってました！！これから、自分のペースで頑張ってってください！！応援してます！ (2020年2月16日 16時) (レス) id: f599ba319e (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 俺氏さん» ありがとうございます！とても嬉しいです…！全然更新できなくてホントに申し訳ないんですけど、できる時にするつもりですので！応援ありがとうございます…！ (2020年1月10日 10時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
俺氏 - 神話が…此処に神話があったー！！とてもタイプで面白いです！受験応援しています。何時までも待っています！！！ (2020年1月2日 22時) (レス) id: 1c5d8ffce1 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - Yukiさん» ありがとうございます！受験が終わったらまた更新再開しますね！頑張ります！ (2019年12月29日 10時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
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