隣の国と聖女様 ページ4
☆*。
………最悪だ。
私はピンク色で包まれた大きな部屋のベッドの上で体育座りをしながら大きくため息をついた。
私の右足には鎖のようなものが付いていて、それはベッドの足にしっかりと固定されている。
軽くそれを引っ張ってみても、金属室な音が虚しく響き渡るだけだった。
森の中で出会った彼らはどうやらβ国の軍人たちらしく、私がこの世界に召喚された日から、毎日あの森の中で私を捜索していたんだそうだ。
聖女様の安全の為だのなんかいろいろ捏ねていたけれど、彼らの目的は十中八九私の能力と、それに伴って得ることの出来る国際的地位の確立。あと威厳。
どの世界でも使えるものは使う精神なのか知らないが、かと言ってこの扱いはないだろうと私は一人部屋でゴチた。
それだけならまだしも、軍人たちがやってきたあたりから茶番ちゃんの姿は見えなくなっていて、今に至るまで何故か私の元にはやって来てくれない。
なんでこんな大切な時に限っていないのだろうと、半ば八つ当たりのように彼女のことを少し恨んだ。
毎日運ばれてくる食事もどこか味気なく、全く持って美味しくない。
これならあの基地の中で食べたひとらんらんや鬱の手料理の方が美味しかったな、なんて。
…分かってはいる。
今更後悔したって遅いってことくらい。
だって、たとえ聖女という役職を持っているのだとしても、人生を巻き戻すことなんて出来ないのだから。
最悪なことに異世界特典なんてものもほとんどなくて、運動神経が爆上がりしたとか、頭が格段に良くなったとか、手先が突然器用になったりだとか、そんなことは全くない。
あぁ、きっとこのまま私はこの部屋の中で一生飼い殺しにされるのだろうな、と虚しい気持ちになってしまった。
…………………なんてことは全くない。
このまま飼い殺し？やなこった！
私がなんであの基地を抜け出したと思っているんだ。
私は自由を求めて逃げだしたんだ。
それなのにあの基地にいた時よりも状況が悪くなるだなんて真っ平御免！
こんな基地すぐに逃げ出してやる！
そうと決まれば行動第一。
不敵な笑みを浮かべながらその場に座り込むと、私は小さな声で呟いた。
『…聖女舐めんなよ、軍人風情が』
成功する根拠なんて何一つないくせに、誰に言うでもなく強がってみた。
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マーシャ(プロフ) - Raiさん» ありがとうございます！遅くなってすみません！がんばりまーす！ (2020年2月16日 17時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
Rai(プロフ) - 更新再開ｯｯ.......！？嬉しいです！！待ってました！！これから、自分のペースで頑張ってってください！！応援してます！ (2020年2月16日 16時) (レス) id: f599ba319e (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 俺氏さん» ありがとうございます！とても嬉しいです…！全然更新できなくてホントに申し訳ないんですけど、できる時にするつもりですので！応援ありがとうございます…！ (2020年1月10日 10時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
俺氏 - 神話が…此処に神話があったー！！とてもタイプで面白いです！受験応援しています。何時までも待っています！！！ (2020年1月2日 22時) (レス) id: 1c5d8ffce1 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - Yukiさん» ありがとうございます！受験が終わったらまた更新再開しますね！頑張ります！ (2019年12月29日 10時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
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