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☪︎ *.
遠ざかる彼らの姿を見送って、中の少女は静かに笑う。
―――してやったり。
何も仮装は顔の見える服でするとは限らないのだ。
顔まですっぽり隠れる可愛らしいうさぎの着ぐるみ。
毎年この場所でお菓子をくばっているシスターになりすまして立っていれば、案の定誰も気が付かなかった。
わざわざ私のわがままを聞いてくれたシスターさんに感謝しつつ、私はそのまま踵を返す。
既に日は傾きかけて、辺りは紅くなり出していた。
os「―――聖女ちゃん、みーっけ。」
ぽすん、と背中に衝撃が走った。
衝撃と言っても、まるで子供が親に甘えるかのような力加減。
ゆったりと動きにくい首を動かし背後を見遣れば、そこにいるのは嬉しそうに笑みを浮かべたヴァンパイア。
深緑の瞳をうっすら開き、楽しげを私を捕まえていた。
『……』
os「この中におるの、聖女ちゃんやろ？」
『……』
os「まさか着ぐるみ着てるとは思わなかっためう。驚いたわぁ」
『……』
os「なんでバレたか、知りたい？」
被り物越しに私たちの視線が絡み合う。
だんまりを決め込む私をじっと見つめる彼。
数秒間の時が止まった。
os「初めに違和感を覚えたんは、俺らを見た時の反応やんな。普通街の人間は、俺らが全員で外に出ているのも見た時には少しくらいリアクションすんねん。普通幹部は誰かしら基地んなかにおるもんやからな。けど、うさぎさんは俺らをみても全く驚きもせんかったやろ？で、変やなぁ思てしっかり観察してみたら、俺らのお菓子の好み完全に把握しとるし、この前グルッぺンが欲しがっとったお菓子も用意してあったし、なんならそれはひとつしか籠の中に入っとらんかったし。あぁ、もしかして、って思って。」
私は決して動揺を見せない。
彼の前で少しでも奇妙な動きをしたら、必ず暴かれてしまうから。
できるだけ目を合わせないように。声を発しないように。
その深緑を、見つめ続ける。
os「極めつけは最後、俺らの質問に答えた時の動きやな。否を答える時に首を振るんやなくて手を振った。それはつまり頭を動かしたくない理由があるってことや。着ぐるみ間の中に髪の毛があって、首を触れたどこかしらに当たって鬱陶しい。又は慣れとらんから頭が重いのかもしれへんな。体を不自然に揺らしとったのも着ぐるみ自体に慣れとらんから。シスターが着ぐるみに慣れとらんわけないんよ。毎年着とるんやから。」
沈黙が流れ、動きも止まる。
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マーシャ(プロフ) - Raiさん» ありがとうございます！遅くなってすみません！がんばりまーす！ (2020年2月16日 17時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
Rai(プロフ) - 更新再開ｯｯ.......！？嬉しいです！！待ってました！！これから、自分のペースで頑張ってってください！！応援してます！ (2020年2月16日 16時) (レス) id: f599ba319e (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 俺氏さん» ありがとうございます！とても嬉しいです…！全然更新できなくてホントに申し訳ないんですけど、できる時にするつもりですので！応援ありがとうございます…！ (2020年1月10日 10時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
俺氏 - 神話が…此処に神話があったー！！とてもタイプで面白いです！受験応援しています。何時までも待っています！！！ (2020年1月2日 22時) (レス) id: 1c5d8ffce1 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - Yukiさん» ありがとうございます！受験が終わったらまた更新再開しますね！頑張ります！ (2019年12月29日 10時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
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