＊ ページ15
『…あ、じゃあ私、そろそろ自室戻るね』
真っ赤な顔を見合わせて挙動不審な行動を起こしあっていた私たちは、時計が12時を示す音を鳴らし始めたことによってなんとか正気を取り戻した。
このまま二人でいるのもなんだか気まずい気がしたので、私はいそいそと彼の元から離れる。
扉の取っ手に手をかけて押し開けようとしたその時、彼の声が小さく聞こえた。
rbr「…気ぃつけてな、聖女様」
本意はわからない。
普通に怪我をするなという意味なのかもしれない。
目を瞬かせて曖昧に笑うと、私はその言葉を了承するように手を振った。
まるで何かを思案するように握りしめられたロボロの掌。
その手は振り返されることはなく、きつくきつく閉じられていた。
rbr「――――聖女様はな、今まで召喚された人全員が例外なく早死してもうとるんやで」
彼の独り言は、誰に聞かれることも無く溶けていった。
モニターに映る5人の少女。
星のような銀髪に、宝石のような黄金色の瞳。
彼女たちの顔はみんなどこか気弱そうで、不安げに笑みを浮かべていた。
4年、2年、1年、半年、3ヶ月。
感染病、栄養失調、暗殺、事故、衰弱死。
名前の下に綴られるのは規則的に減り続ける時間と不穏な単語。
きっとこれは今までの聖女の生きながらえた時間の長さ。
命を落とした悲しい原因。
―――3ヶ月の次は、何ヶ月？
ロボロの瞳は、不安げに淡く揺れていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1203人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マーシャ(プロフ) - Raiさん» ありがとうございます！遅くなってすみません！がんばりまーす！ (2020年2月16日 17時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
Rai(プロフ) - 更新再開ｯｯ.......！？嬉しいです！！待ってました！！これから、自分のペースで頑張ってってください！！応援してます！ (2020年2月16日 16時) (レス) id: f599ba319e (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 俺氏さん» ありがとうございます！とても嬉しいです…！全然更新できなくてホントに申し訳ないんですけど、できる時にするつもりですので！応援ありがとうございます…！ (2020年1月10日 10時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
俺氏 - 神話が…此処に神話があったー！！とてもタイプで面白いです！受験応援しています。何時までも待っています！！！ (2020年1月2日 22時) (レス) id: 1c5d8ffce1 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - Yukiさん» ありがとうございます！受験が終わったらまた更新再開しますね！頑張ります！ (2019年12月29日 10時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
