＊ ページ10
パッと見はシャオロンと同じような細身体型。無駄に筋肉が付いているとかそういうわけでもなさそうで、どちらかと言えば近距離よりも中遠距離攻撃を得意をしてそうな、そんな印象。濃紫のライダージャケットに同色のヘルメットを被ったその青年は、エンカウント直後すぐにショルダーから拳銃を引き抜き1発こちらにお見舞してきた。もちろん伊達にプレイヤーを葬ってきた訳では無い2人はそれを受けるより先に難なく物陰に身を潜め、すぐに反撃しようと試みる。適当に店の隙間を縫うように走り回って青年の死角に入ったはいいものの、そこで青年は例のやべぇ武器を鞄から取り出したのである。なお彼らは気が動転しているせいで気づかなかったが、あれがいわゆるロケットランチャーと呼ばれる武器であったというのは彼らが後に知ることだ。
弾数が特別多いわけではないのか、青年は武器を気遣うように何度か視線をやる。彼の背後でぱちぱちと火花が弾け、ごうっと火柱が立ち上がった。風に乗ってシャオロンたちの元にも熱を持った灰が飛んでくる。咳き込みそうになるのを何度も堪え、手元の拳銃を軽く握りこんだ。
「―――おいロボロ。あいつの弾、いつ切れると思う？」
「2、3発ってとこやろか。替えの球持っとるんやったら流石にまずいで」
「せやんなぁ。とりあえず今のあいつの手持ちの球なくなるまで隠れとくかぁ？」
「…ま、それが1番妥当やろな」
ドォンとまた1つの店が音を立てて崩れ落ちる。
そういえばAは無事なのだろうかとシャオロンは顔を顰めて、もしこの衝撃に巻き込まれてたらせっかくの玩具が壊れるなぁなんて呑気に考えた。まぁ自分たちとは真反対に行ったのだからわざわざこちらに来ることもあるまい。来ようとしてもこれだけの騒音が聞こえたのなら身を隠すくらいするだろうとシャオロンはAのことを考えるのをやめた。とりあえず今は目の前のやべぇバーサーカーを退治するところからだ。拳銃の残弾数を確認しつつ、彼はロボロと密かにアイコンタクトを取り合った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
m(プロフ) - 久しぶりに読んだらまたハマってしまいました！！ (10月27日 3時) (
レス) @page14 id: 5ed95a932c (このIDを非表示/違反報告)
ラテ。(プロフ) - 更新お疲れ様です。相変わらず物語がかっこよく言い回しも素敵で何度読んでもドキドキとワクワクを味わえる素敵な作品です。次の更新を楽しみにしています。 (2022年5月9日 16時) (レス) @page14 id: ea61eec359 (このIDを非表示/違反報告)
Roin(プロフ) - 更新嬉しいです！！お疲れ様です！ (2022年5月8日 19時) (レス) @page14 id: e30e1010c9 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます！更新遅くなって申し訳ありません。待っていてくださって本当に感謝してます！ (2022年5月8日 17時) (レス) id: 3b18e92123 (このIDを非表示/違反報告)
さくま巳兎(プロフ) - はじめまして。この作品すごく面白く見入ってしまい、何度も読んでしまいました！これからも応援しています！ (2022年4月12日 20時) (レス) @page11 id: 6464a1c376 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
