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どちらの方が早かったのだろう。もしかしたら私の方が一瞬早かったのかもしれない。
ホルダーに仕舞っていた拳銃を素早く抜き出し、衝動的に目の前のプレイヤーに突きつけた。
相手も同じことを思っていたようで、私の方に拳銃の銃口を向けている。
勿論お互いにセーフティバーは外されており、少しでも間違えばどちらかの脳天に風穴が空くのは明白だった。
『……ッ、』
「あー、ガバってもうた……まさか他にも人がおるなんて…」
困ったように眉を下げる青年。分厚いメガネのレンズ越しの瞳は、隙なくこちらの動向を伺っている。私は無意識にゴクリ吐息を飲んで、1歩だけじりりと後ろに下がった。
きっとこれはどちらかが死なないと状況が変わることは無い。死にたくはないけど、私は本当は殺しだってしたくないのに。
話し合いをしてみる？だけど今まで話し合いに応じてくれた人はいなかった。話が通じる相手か？分からない。だけどこちらへの殺意があることは今の行動でわかっている。どうするのが最適解か、私には分からない。恐怖からか拳銃を持つ手が小さく震えた。
「……おねーさん、ここは一旦休戦せぇへん？」
『…えっ』
しかし意外も意外。何かを考えるような素振りを見せた男が、突然休戦を申し込んできた。何を考えているのかわからずに思わず動揺を露わにする。男は食えない笑みを浮かべると、拳銃を持っていない方の手をふるふると揺らした。
「ここで争いあってもお互いメリットないやないですか。俺は食料が欲しいだけ。おねーさんも見た感じ同じ目的やんな？ここは一時休戦してお互いの目的果たしましょうよ」
『…え、本当に…？休戦、してくれるの？』
「勿論ですって！せーので一緒に銃下ろしましょ！」
せーの！
そう言うと宣言通り彼は拳銃を下ろしてくれる。私も合図に合わせて拳銃を下ろせば、彼は安心したようにふにゃふにゃと笑った。
かくいう私も、初めて話の通じる相手に出会って内心酷く感動する。
こういう人もいるんだな、と少しだけ安心した。
「いやぁ、おねーさんが話の通じる方でよかった！」
『こちらこそ…！私、人を殺すのって本当に怖くて、どうしようって不安で仕方なくて…』
「分かります分かります！生き残るためとはいえ、誰かを殺すのって怖いですよね！俺もそうなんですよ！」
無防備に私に背を向け、パンをカバンに詰める青年。どうやら本当にこちらを害すつもりはないらしい。
ホッ、と安堵の息を着いた。
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m(プロフ) - 久しぶりに読んだらまたハマってしまいました！！ (10月27日 3時) (
レス) @page14 id: 5ed95a932c (このIDを非表示/違反報告)
ラテ。(プロフ) - 更新お疲れ様です。相変わらず物語がかっこよく言い回しも素敵で何度読んでもドキドキとワクワクを味わえる素敵な作品です。次の更新を楽しみにしています。 (2022年5月9日 16時) (レス) @page14 id: ea61eec359 (このIDを非表示/違反報告)
Roin(プロフ) - 更新嬉しいです！！お疲れ様です！ (2022年5月8日 19時) (レス) @page14 id: e30e1010c9 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます！更新遅くなって申し訳ありません。待っていてくださって本当に感謝してます！ (2022年5月8日 17時) (レス) id: 3b18e92123 (このIDを非表示/違反報告)
さくま巳兎(プロフ) - はじめまして。この作品すごく面白く見入ってしまい、何度も読んでしまいました！これからも応援しています！ (2022年4月12日 20時) (レス) @page11 id: 6464a1c376 (このIDを非表示/違反報告)
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