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カチリ、と音が鳴ったのはいつだったか。いくら青年が引き金を引いてもロケットランチャーから弾が飛び出してくることはなく、辺りにようやく元の静けさが戻ってくる。それはつまりロケットランチャーの弾数がゼロになったことを表していて、そして替え弾を取り出すことなく道を進む彼は、シャオロンたちにとっては酷く無防備に見えた。
シャオロンは拳銃の照準を青年に合わせ、躊躇うことなく引き金を引く。心臓を狙ったはずだったがわずか左にぶれ、銃弾は彼の左肩を抉るだけに留まった。
「グッ、！？…っクソ、ｯ」
青年が衝撃でふらりとよろけたためロボロの放った矢は頬スレスレを掠めてどこかへ飛んでいく。ひらりと身を翻す青年は一目散に建物の影に身を隠し、そのままお互いに下手に動けないまま膠着状態へと陥った。
相手がまだ拳銃を所持していることは初動で確認している。ノコノコと飛び出して狙撃の的になるわけにもいかず、どうしたものかとシャオロンはため息を零した。
「あのにーちゃんは？」
「右奥のたこ焼き屋の裏やな。おそらくあの場から動いてへん」
「あーあの場所ね……動いたらこっちが撃たれるなァ」
「どーすっかねぇ」
お互いに拳銃の弾数は限られている。これ以上の消費は正直大痛手。今回ばかりはAのよく言う「お話し合いでの和解」が望ましいのだろうが、まぁ上手くいかないだろうと舌打ちを1つ打つ。なんでこんな時に限ってあのあまちゃんはいないのか。タイミングが悪すぎる。
ロボロも同じことを考えていたらしく、「あんの役立たず…」と小さく悪態をついていた。
緊迫した状態で拳銃を握りしめることおおよそ数分。そろそろ動かねば埒が明かないだろうと両者ともに思い始める。それにAも騒動が納まったと勘違いして間抜けにも姿を現しかねない。一かバチかで飛び出すか―――とシャオロンが密かに決意を固めたその時。
突如どこか抜けたような緩い声が辺りに響き渡った。
「ショッピぃー。悪いんやけどさ、ちょっと今対峙しとるおにーさんらと休戦してくれへん？」
「……はァ？」
聞き慣れない声。恐らく新手。このタイミングで…！？と冷や汗が流れる。
一応様子を確認するためにちらりとシャオロンが物陰から顔を覗かせれば、そこにはひょろりと背が高い青年が1人、と。
「………は？」
ぐったりと血塗れの状態で青年の腕の中に抱えられた、Aの姿があった。
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m(プロフ) - 久しぶりに読んだらまたハマってしまいました！！ (10月27日 3時) (
レス) @page14 id: 5ed95a932c (このIDを非表示/違反報告)
ラテ。(プロフ) - 更新お疲れ様です。相変わらず物語がかっこよく言い回しも素敵で何度読んでもドキドキとワクワクを味わえる素敵な作品です。次の更新を楽しみにしています。 (2022年5月9日 16時) (レス) @page14 id: ea61eec359 (このIDを非表示/違反報告)
Roin(プロフ) - 更新嬉しいです！！お疲れ様です！ (2022年5月8日 19時) (レス) @page14 id: e30e1010c9 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます！更新遅くなって申し訳ありません。待っていてくださって本当に感謝してます！ (2022年5月8日 17時) (レス) id: 3b18e92123 (このIDを非表示/違反報告)
さくま巳兎(プロフ) - はじめまして。この作品すごく面白く見入ってしまい、何度も読んでしまいました！これからも応援しています！ (2022年4月12日 20時) (レス) @page11 id: 6464a1c376 (このIDを非表示/違反報告)
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