【d!】欲を求めよ夢魅る乙女【短編集】

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驚いて振り返れば、そこには少し息を切らせたショッピくん。
あれ？なんだ。帰ったわけじゃないんだ。

「…何1人で帰ろうとしてるんすか。送りますよ」
『え、ありがと』
「…あとこれ。よかったらどうぞ」

そう言って差し出されるのはチョコバナナのクレープ。まさかこれを買いに行っていたのだろうか。…なんだこれ、青春じゃん。
我ながら単純だとは思うけど、にこにこしながら受けとってしまった。嬉しい。

ありがと、と言って頬張ると、ショッピくんが安心したように笑った。

「あんまり楽しそうやなかったから。なんかすみません」
『んーん、いいよ！』
「…今度は、その……Aの好きなとこ、連れてくんで」

やっぱり私は単純だなぁ。
照れたように笑う彼を見て、すぐに嬉しくなっちゃうから。
少しだけ口元がにやける。
理想通りのデートではなかったけど、思い出に残るデートになったかもしれないね！


クレーンゲームで取ったお揃いのストラップをカバンにつけて、私は鼻歌を歌いながら彼の大きな手を繋いだ。

隣の席の美人さん【os】→←＊

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