＊ ページ49
『…あ、』
「もう舐め終わったん？」
『うん』
「美味いやろ？」
『甘酸っぱくて、美味しかった』
少しだけ残るレモンの味もだんだん溶けてなくなっていく。
……先程まであったものがなくなれば、やはり口寂しくなるわけで。
あわよくばもう一個持ってたりしないかな、なんて彼を見つめれば、こてりと首を傾げられた。
「ん？どしたん？」
『………いや、もう一個持ってたりしない？』
「…あぁ、飴？あるにはあるけど、コーラしか持ってへんよ。でもAコーラ嫌いやろ」
『そっか』
「何、口寂しいん？？」
『そんな感じ』
先生の声が大きくなって、全員の意識も沈み始める。
ペロリと唇を舐めた私は、少しだけ残るレモンの味を堪能しながらペンを動かした。
大事なポイントでもあったのか、くるりと黒板に板書し始めた先生。その後ろ姿をぼんやりと見つめていると、突然ぐいと引っ張られた。
『……え、』
突然近づく彼の大きな瞳。
ふわりと重なる2人の唇。
色づく頬に熱を帯びる体。
ペロリと私の唇を舐めた彼は、いたずらっぽく微笑んだ。
「…Aの唇、レモンの味したわ」
さっきまでレモン味の飴を舐めていたのだから当たり前のはずなのに、私の思考はその答えすら導けない。
ぶわりと赤くなる顔を抑えると、彼は嬉しそうに口角を上げた。
「…な、まだ口寂しい？」
黒板に数式を書き込む先生。
船を漕ぐクラスメイト。
真剣に板書を映す仲間たち。
誰も気づかぬ教室の隅で、再び唇が重なった。
初恋の味は、どうやらレモンの味らしい。
☆*。
シャオさんお誕生日おめでとうございます！
ということでシャオさんのお話。
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マーシャ(プロフ) - めるさん» 基本的にここにあげてるお話はツイッターで上げていたお話なので更新速度かとてつもない速さになってます笑。内容はフォロワーさんなどにリクエストとかいただいて書いてます！ (2019年9月20日 20時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - 更新スピードの速さにびっくりしています…！お話のネタってどうやって考えているのですか？ (2019年9月20日 17時) (レス) id: 00dabe47f6 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 名無しさん» ひょえ、ありがとうございます…！微妙なところで終わったので、気が向いたら続き書こうかな、と思ってます。 (2019年9月18日 23時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 猫の日の話がとても好きです (2019年9月18日 21時) (レス) id: 8e5d693f3e (このIDを非表示/違反報告)
ねおる(プロフ) - マーシャさん» そうなんですね・・・ (2019年9月17日 20時) (レス) id: 0c3e920e49 (このIDを非表示/違反報告)
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