【d!】愛に溺れよ恋する乙女【短編集】

今日の天気はどんな色？【cn】 ページ41

今日の天気は暗い色。


空はどんより曇り空。

湿った空気が辺りに漂い、じめじめとした暑さが私を襲う。
手に持つうちわでパタパタ仰げば、生ぬるい風が顔に当たった。

『信じらんない…何でよりにもよって今日なのよ…』

外は昨日の雨で水浸し。
地面にいくつも広がる水溜りは、私を嘲笑うかのようにゆらゆら揺れている。
ポタリと空からこぼれ落ちる雫に、私はますます顔を顰めた。

「おーい、眉間にシワよっとるで？」
『だってよりにもよって今日この天気よ！？花火大会行けないじゃない！』
「しゃーないって。次の機会に一緒に行こな」

そんな私の顔を見て、隣のチーノは面白そうにくすりと笑う。

だけど、せっかくお互いに休みが取れたのに、お家デートなんて悲しすぎる。
私は口をすぼめながら思わずムッと文句をこぼした。

『私は今日行きたかったの！』
「もー、Aは我儘さんやなぁ」

私の言葉に呆れたように苦笑いして、彼は優しく私の額に口付ける。

突然のことに少しびっくりして口を噤めば、満足そうに笑われた。

「はい、俺の勝ち」
『なにそれー』

顔を見合わせ2人で笑う。
ゆっくり晴れてく外の景色に、なんだか心も軽くなる。
彼は私の瞳を覗き込んで、どこか楽し気に口角を上げた。


「なぁ、A。―――今日の天気はどんな色？」



『今日の天気は愛色だね！』




☆*。
愛色ってどんな色？

きっと明るくて幸せそうな色かと思われます。マーシャも知りません。多分勝手に作られた色かと()



皆様の想像する『愛色』は、一体どんな色でしたか？

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