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『ほんとに何なん?』
「…俺、お前に言いたいこと、あんねん。」
『…言いたいこと?』
「おん。………ずっと昔から好きやった。…俺と、付き合ってください。」

遠くから生徒たちの楽しげな笑い声が聞こえる。
あたしたちのいるこの空間だけ時が止まったかのように静かになった。


すき?……こいつが、あたしを?


突然のことに驚き、言葉を失っていると少し脅えた様に私の顔を覗き込むあいつ。
女子生徒達が騒いでいた端正な顔が視界いっぱいに入った。

「…やっぱり、あかんか?」

眉を八の字にして目の前のこいつは困ったように微笑む。

…なんであんた、そんな声出すんだよ。

いつもみたいに大声で笑えよ。
悩み事なんてないんじゃないかってくらいの笑顔を見せろよ。

ごちゃごちゃした頭の中を必死に整理する。
…あたしは、なんて答えるのがいいんだろうか。

『…えと、その、』
「嫌なら別にええで。潔く振ってや。」

そういうあいつを見上げると、先程よりも更に寂しそうに笑う顔が目に飛び込んでくる。

…バカ。アホ。
…あたしがその表情に弱いことは、あんたが1番知ってるでしょうが。
そんなん、あたしにどう言わせたいかなんて丸わかりなんだよ。

穏やかな風に包まれながらあたしは小さく笑みを浮かべる。
あいつが何かを言うよりも早く、あたしはあいつの望む言葉をかけてやった。


『…ばーか。…あたしもアンタのこと好きやよ、…シッマ。』


あたしが、あんたのこと嫌いやなんて、言うわけないやろ。


ばーか。

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マーシャ(プロフ) - めるさん» 基本的にここにあげてるお話はツイッターで上げていたお話なので更新速度かとてつもない速さになってます笑。内容はフォロワーさんなどにリクエストとかいただいて書いてます! (2019年9月20日 20時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - 更新スピードの速さにびっくりしています…!お話のネタってどうやって考えているのですか? (2019年9月20日 17時) (レス) id: 00dabe47f6 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 名無しさん» ひょえ、ありがとうございます…!微妙なところで終わったので、気が向いたら続き書こうかな、と思ってます。 (2019年9月18日 23時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 猫の日の話がとても好きです (2019年9月18日 21時) (レス) id: 8e5d693f3e (このIDを非表示/違反報告)
ねおる(プロフ) - マーシャさん» そうなんですね・・・ (2019年9月17日 20時) (レス) id: 0c3e920e49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マーシャ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年9月2日 14時

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