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89話 ページ47

羽生さんがローストビーフを口に運ぶ


「うん!おいしい!」


甘いマスクが綻ぶのを見て、日本人だけでなく海外の女性たちまで虜になる理由がよく分かる


『よかった〜!』


みんなも黙々と箸を進めていて美味しそうに食べてくれている


ちらりと昌磨をみると、既にローストビーフを数枚食べていて、水を飲んでから餃子に箸をのばすところだった


昌磨は自分に一番近い所にあった餃子をひとつとってかじる


「え?A、なんかこれ甘いんだけど」


半分口に入れた昌磨は残りの半分を目を丸くして見つめる


『あぁ、それね、チョコマシュマロだね』


昌磨の動きがしばらく止まる


あ、りんご美味し


「・・・なんで?」


『みんなが食べたいもの入れたの、それは季樹のリクエスト!』


昌磨が複雑そうな顔をしながら残りの半分を口に入れた


「美味しいけどデザート食べてるみたい」


「俺は結構好き」


甘党な夏樹がバクバク食べている


『この辺が普通ので、このお皿がチョコマシュマロとアップルパイみたいなやつで、そっちのお皿がピザっぽいのと納豆とチーズ入った揚げ餃子だよ』


へー、と揚げ餃子を口に運んだ昌磨のいつも眠そうな目が開く


「これおいしい」


納豆の糸がつーと伸びる


『あ、ほんと?』


昌磨に取り分けてもらった揚げ餃子をかじると、サクサクとろとろ


『あ、美味し!』


俺も俺もと皿を差し出す子どもたちに昌磨が揚げ餃子を載せていく


「納豆うま!」

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作者名:カイリ | 作成日時:2019年9月14日 19時

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