超、愛してる！２ 【宇野昌磨】

７９話 ページ37

国別対抗戦


日本優勝


−控え室−


｢昌磨ー！助かった、ありがとう｣


｢俺は・・・なんか、良くも悪くも練習通りって感じだったからなー｣


やっぱSP苦手だー！と髪をぐしゃっとする世界王者、羽生結弦選手からそっと離れスマホを操作する


＿＿＿ﾌﾟﾙﾙﾙ＿ﾌﾟﾙﾙﾙ＿ﾌﾟﾙ


《はーい、もしもーし》


｢あ、ごめん、仕事中だった？｣


《いや？休憩とってフィギュアみてた》


お疲れ様、といういつものAの声にほっとして、テーブルに備え付けられたパイプ椅子にどかっと座る


座ると途端に襲ってくる睡魔と疲労


《・・・どうしたの？》


それを察知したのか、気遣う声が聞こえた


｢いや・・・｣


濁った返事をすると、電話口から夜中とは思えないAの快活な声が聞こえる


《まぁ、週末には帰れるんでしょ？みんなもう寂しがってるよ》


からからと笑うAが、何食べたい？と付け加える


｢厚切りのローストビーフ｣


《ん、了解・・・美味しいの作って待っとくから、もうひと頑張りしておいで！》


生放送中に寝たらだめだよ？と笑うAに、既に寝そうだという事は内緒にしておこう


＿＿りっかちゃーん！４番テーブルの田所さん、指名だよ！


《はーい！・・・ごめん仕事だ！行ってきます》


｢うん、行ってらっしゃい・・・がんばれ｣


《ありがと！昌磨もね！・・・あ、ピンクのリボン、可愛かったよ！》


＿ﾌﾟﾂｯ__



・・・


取材まで、一眠りしよ・・・

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