Puppy love or…？[3]

113.それほどの ページ13

研究室では赤い金魚のご遺体の検査をできる限りやっている。

『何か分かるといいんですけどね…』

久部「…だね。中堂さんもいつもと様子が違うし。」

中堂さんは、またあの時のように額を押さえ、苦しんでいるようだ。そんな中堂さんを遠くからじっと見つめるミコトさんの姿も私の目に映った。

東海林「薬毒物検査の結果、200種類どれも引っかからず。」

中堂「ニコチンは出ないか？」

東海林「出てません。」

ミコト「胃の内容物は？」

東海林「腐敗で分解が進んでよくわかんないけど…成分からすると…加工肉。」

久部「ソーセージとかですか？」

東海林「うん…そんな感じ。」

ミコト「異様〜に腐ってたのは何でなんだろう？細菌が繁殖して腐敗を早めたのかな？」

中堂「腐った食べ物をわざと食べさせた。犯人は毎回犯行の手口を変えている。殺しを楽しんでるなら何でもアリだ。」

ミコト「じゃあ…細菌検査が必要だね。死因に関係あるかもしれない。」

東海林「培養して調べてみる。」

それを聞いた中堂さんは、バン！と勢いよく机を叩き、身体を前のめりにした。
中堂「最短で何日だ！？」

東海林「…どんなに急いでも…培養に3日は。」

中堂さんの必死な姿に圧倒されたのか、東海林さんは少し引き気味。

中堂「…頼んだ。」

そして研究室を後にする中堂さんの背中は、いつもの威圧感は全く感じられなかった。

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