112.鋭い_Kube Side ページ12
話が終わると、中堂さんはふらふらとどこかに歩いていった。Aちゃんはミコトさんに近づいた。
『あの…私、中堂さんが心配なので見てきます。』
その言葉に、ミコトさんの曇りない瞳がAちゃんを映す。
ミコト「うん、分かった。中堂さんは任せた。」
『それでは。』
………………
Aちゃんと中堂さんがいなくなり、そして毛利さんと向島さんが帰った後、僕達は所長室に集まった。
久部「赤い金魚が正式な証拠と言えないって…?」
赤い金魚という重大な証拠があるのに、それが証拠にならないというのは僕にはよく分からなかった。でも、何か事情があるのだろうとは思った。
ミコト「どれも中堂さんが独自に調べて見つけたものだから。」
東海林「でも、中堂さんの恋人の遺体は司法解剖したんでしょ?その時の写真なら正式な証拠じゃん。」
所長「夕希子さんの最初の鑑定は不採用になったんです。」
そこから、詳しい中堂さんの過去や、赤い金魚について聞かされた。宍戸さんから多少聞いてはいたが、ここまで詳しいものではなかった。
神倉さんは警察にも働きかけてみるとも言っていた。僕らはまず、目の前のご遺体に向き合わなければ。
東海林「このことさ、Aは知ってんの?」
そういえば、と思い出したかのように喋り出す。
ミコト「うん、知ってるみたい。私は中堂さんから直接話を聞くまで詳しく知ってるとは思わなかったから…」
所長「ええ、三澄さんは結構グイグイしてましたけど…それと対照的でしたからね〜。彼女は結構鋭い気がしますが、それを隠してるようですし。中堂さんを支えているような感じもしますよねぇ」
そうか、だから中堂さんが会議室を出たら後を追ったんだ。Aちゃんは彼女なりに中堂さんを救おうとしてるのかな。
それにしても、神倉さんは中々見てるんだな…と思う。僕が感じたことにも目がいっている。なんだかんだ、神倉さんも鋭いような気がする。
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和泉(プロフ) - すっごい面白いです! 最後まで見たいです。 (2018年9月24日 16時) (レス) id: be6e874527 (このIDを非表示/違反報告)
RiO(プロフ) - 青龍 葵さん» 2に引き続き、ありがとうございます!頑張ります! (2018年3月28日 23時) (レス) id: b68758a691 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 移行おめでとうございます!最後は夢主との結末はどうなるのかな?とか考えながら続きを楽しみにしてますw (2018年3月28日 4時) (レス) id: a3d4cc2e55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RiO | 作成日時:2018年3月27日 1時