Puppy love or…？[2]

96.クソ刑事 ページ46

今日もオフィスは火災の調査に追われている。今のところ、被害に遭われた方の半分の身元が判明した。向島さんもメモを取るのに大変そうだ。

話をしていると中堂さんが現れて、何か資料を向島さんに渡した。

中堂「デンタルデータ、身元不明の5名分。」

久部「どうやって調べるんですか？」

東海林「警察が、歯科医師会を通じて現場の近隣にある歯科医院に送って、1枚ずつ見てもらう。」

久部「アナログですねぇ。」

中堂「だからめんどくさがって歯のデータを取らないクソ刑事もいる。」

と、チラっと向島さんの方を見た。
それを聞いた向島さんもむっとして中堂さんの方を睨んだ。

『まぁまぁ…』

ミコト「うちは言われなくても取る方針ですよね？」
そのデータに目を通しながら中堂さんに聞くミコトさん。

中堂「あぁ、神倉さんの主義だからな。」

久部「主義？」



毛利「今は何でもかんでもDNAなんですよ！」

ふと向こうに目をやると、会議室の近くの、みんなのくつろぎの空間の机を使い、木林さん、毛利さん、三澄さん(ミコトさんの母親)が何やら話をしている。

ミコトさんは母親がいることに気づき、様子を伺い、そっちの方に行った。

どうやら、この火災に巻き込まれた方のご遺族が、ビルの消防管理を問う訴訟を起こすらしく、それに関することをやっているらしい。あのUDIの見学説明会の後みたいに、木林さんと毛利さんにも独身か聞いている所を見ると、やはり強烈なお母様だ。

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