Puppy love or…？ (ページ6)

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6.まさかまさかの…？ページ6

『失礼します…あの…』
そっと入ると解剖台の上で誰か寝ていることに気づいた。きっとこの人が中堂さんなのだろう。

でも、この人、どこかで…

そう思った理由は顔が見える位置まで来て分かった。
1年前の見学会でぶつかってしまったあの人がそこにいた。
私がUDIを目指すきっかけとなったあの人が。

中堂「…………なんだ、俺に用があるのか。」

いきなり声が聞こえてビクッとしてしまった。
でも、その声を聞いてあの人だと確信した。

『あ、はい。えっと、この度新しくバイトでUDIに…中堂さんにお世話になるので、ご挨拶をと思いまして。あ、名前は菅原Aと申します。○○大学の理学部で臨床検査技師を目指してます。よろしくお願いします。』

緊張で声が震えてしまう。

中堂「…あぁ。」

ただそれだけだったけど、ずっと思ってた人が目の前にいる。少しでも言葉を交わしている。誰なのかもわかった。そしてこれからはその人…中堂さんの下で働ける。そう思うと、自分は本当に恵まれているのだな、と幸せな気持ちになった。

『それでは、失礼します』

さすがにほぼ初対面で長居して話すことは難しいだろうと思い、挨拶だけ済まして解剖室を出た。
それに、多分中堂さんはそういうタイプではないだろうし。