Puppy love or…？ (ページ41)

今日:14 hit、昨日:4 hit、合計:171,836 hit

41.法医学って？ページ41

中堂「…いや、いい。お前にも聞いてほしい。」

私の顔をじっと見つめてそんなことを言うもんだから、この場を離れられるはずがない。

中堂「…考えたことがあるか？永遠に答えの出ない問いを繰り返す人生。今、結論を出さなければもう二度とこの人物がどうして死んだのかを知ることはできない。」

「今調べなければ。調べなければ永遠に答えの出ない問いに一生向かい続けなきゃならない。」

「そういうやつを一人でも減らすのが法医学の仕事なんじゃないのか？」

中堂さんは静かに、でも力強く私とミコトさんに向けてそう言い放った。ミコトさんもそれ以上何も言うことができず、「そうですか」と言って解剖室を去っていった。

中堂「お前は…Aはどう思う？」
ミコトさんがいなくなった解剖室で、中堂さんは私を真っ直ぐ見た。

『私は…来たばかりで法医学の深さについてしっかりと理解できたわけではありません。問いと答えで言うなら、確かに法医学による結果は答えの１つだと思います。…でも、それが必ず良いもので、かつ最終的な答えになるかは分かりません。』

できるだけ冷静に、中堂さんに伝わるように。

すると、
中堂「それはどういうことだ？」
と、私を不思議そうにこちらを見る。

『答えがかえって苦しみやさらなる疑問を生むこともあるからです。そりゃ、そんなことばかりあるわけではないですよ？でも、答えを出しては悩み、苦しむ。永遠に答えの出ない問いがあるなら、答えが出ても悩み続けることもあるでしょうし。』