プルサティラ (ページ46)

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松田「ちゃかまじ手加減しろよ！俺姉ちゃんに怒られるじゃん！」

宮近「無理。何のために勝負持ちかけたと思ってんの」

松田「そうだけど！姉ちゃん怒ると怖いし！」

宮近「はい、勝ったからスマホ貸して」

松田「じゃあSNSじゃなくて電話番号ね！SNSは追加したらすぐ姉ちゃんに通知行っちゃうから勘弁して！」

宮近「まぁ連絡取れればなんでも」

松田「でも俺から聞いたって言うなよ！ずっと口止めされてんだから！」

宮近「ん？それはどうかな」

松田「最悪！ちゃか最低！」

宮近「はいはいわかったって、アイス買ってやるから」

松田「まじ！？大好き！」

宮近「お前はほんと単純だな」

キラキラした人懐っこい笑顔で、見えない犬のしっぽをブンブン振ってるAの弟はめちゃくちゃ単純。

Aもこれぐらい単純でいてくれたら気持ちがわかるのに。

松田「姉ちゃんもこれぐらい単純だったらなー」

宮近「え？」

松田「ちゃかの気持ち、合ってるっしょ？」

宮近「…まぁ」

松田「素直にならないと、姉ちゃんには気持ち伝わらないよ。あと、言っとくけど今の彼氏めちゃくちゃ手強いから」

宮近「元太って俺の味方？Aの味方？」

松田「んー、ふたりが幸せになる味方！」

宮近「意味わかんねぇ」

松田「わかるじゃん！なんでわかんないの！ちゃか俺よりバカじゃん」

宮近「そんなこと言ってたらアイス奢らないけど」

松田「すいません！前言撤回でお願いします！おちゃか様！」

宮近「お前お釈迦様みたいに言うなよ」

松田「おちゃか様！お願いしますよおちゃか様〜！」

宮近「元太うるさい」

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数日後、Aとの再会は俺からの連絡がきっかけじゃなくて取引先の会社の会議室だった。

一緒にいたくて、メシに誘っても断られて。

Aがあからさまに避けるなら、悪いけど俺は"大人の事情"ってやつ使わせてもらうけど。

会議室でAと俺が幼馴染だって話をしたら、案の定食いついてきて

取引先との親交を深めるにはうってつけだと思ってもらえたはず。

そのまま俺の思惑通り飲み会を取り付けることができた。

川島「話聞いてる限り、ふたりいい感じだったんじゃないの？」   

宮近「そう思ってるの、多分こいつ以外なんですよ」

   『私以外…？』

   宮近「A以外みんな、俺とAが付き合うと思ってたってこと」

   『…あ、お飲み物注文しますね』 