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元太に朝ごはんを出して、送り出して一息ついた頃


スマホの通知音がなって見てみると、元太からのメッセージには紛れもなく海斗の連絡先が送られてきていて


《ねーちゃんの幸せ探し手伝ってあげるから、今度焼肉奢りで!》


なんて調子いい言葉が並べられていた。


別に幸せ探しなんてしなくたって、今松倉くんといるのが幸せなのに。





松倉「おはよう。元太は?」





ソファーに座ってスマホとにらめっこをしていると、大きくあくびをしながら伸びている松倉くんが寝室から出てきた。





『サークルだって。もう家出たよ』


松倉「ふーん」





隣に座ってきた松倉くんは、急にボーッとしだす。





『海斗くん?』


松倉「これからデートしよっか」


『え?』


松倉「予定あった?」


『今日は特にないけど』


松倉「じゃあ決まり」






特に予定はなくても、何故か今日は家から出たくない気分。


メイクもせずにやるべき家事だけこなして家の中でゆっくり過ごしたい。


でも松倉くんは行きたそうにしている。





『うーん…』


松倉「やだ?」


『お家デートはダメ?』


松倉「一緒に住んでるんだからお家デートなんてあるようでないようなもんでしょ」


『そうだけど…』


松倉「お家から出たくない気分?」


『うん』


松倉「じゃあ、今日はお家で過ごすか。今度どこに出かけたいか考えよう?」


『いいの?』


松倉「こういう時は俺が折れないと決まらないでしょ?」





きっと松倉くんは優しいからストレートに言ったりしないけど、絶対に頑固だと思われている。


海斗が可愛くないと言ってきた私の性格。


申し訳なくなる。


前同じような事があった時、松倉くんは"意見曲げたくない気持ちわかるし、そこはお互い様で持ちつ持たれつでしょ?"と言ってくれたことがあった。





『ありがとう』


松倉「いいよ。でもひとつ約束させて?」


『なに?』


松倉「今日、俺が家のこと全部やるからゆっくり過ごして」


『どういうこと?』


松倉「洗濯掃除はもちろんだけど、ご飯も作るから。何食べたい?」


『え、いいよ私やる』


松倉「いいから。おもてなしってやつだって」


『じゃあ、煮込みハンバーグがいいな。前作ってくれた時凄く美味しかったから』


松倉「ん、了解。食材足りないものあったらスーパーで買ってくるね」

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作者名:愛生 | 作成日時:2022年2月6日 23時

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