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甘い雰囲気に包まれて優しく触れるキスは久しぶりで、やっぱり好きだと再確認する。




海斗くんなんて今から呼び方を変えたら違和感があるし


呼ぶ度に海斗のことがよぎる。


慣れないけど、口に出す時だけ頭の中で"松倉くん"から"海斗くん"に変換する。


それでも、これでみんなが幸せになれるならそれでいいんだ。




海斗って呼び捨ては出来ないけど、許してね。






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『ただいま』


「姉ちゃんおかえりー!」





数日後、仕事終わりスーパーに寄って食材諸々購入して家に着くと、松倉くんとは違う声が聞こえる。


リビングに入ると、松倉くんと弟の元太がテレビゲームをしていて唖然とした。





松倉「おかえり」


松田「姉ちゃんもゲームする?」


『え?いや、なんでいるの?』





スーパーに寄ってから帰ったから、松倉くんが先に家にいるのはわかるけど、元太からは何の連絡も来てない。


ふたりでスナック菓子を食べながらゲームをしてて、まるで本当の兄弟みたい。





松田「海斗言ってくれなかったの?姉ちゃんに伝えといてって言ったじゃん!」


松倉「あれ?伝えなかったっけ…」


『聞いてないよ』


松田「なんだよー。ねぇ、俺の分もご飯ある?」


『ちょうどスーパー寄ってきたから作ろうと思えばカレーぐらいなら作れるけど』


松田「よっしゃ!」





来た訳を聞けば、両親が旅行に行っちゃって、仲が良い大学の友達も今日は予定が入ってて


実家にひとりは寂しいからって松倉くんに私たちの家に泊まると連絡してきていたらしい。





松田「あ、これ お母さんから」





キッチンで野菜を切っていると、元太が差し出してきたのはアルバムだった。





『なんでアルバム?』


松田「最近家の中整理しててさ、アルバムも整理したらしくて、姉ちゃんに持ってけって」


『そっか、ありがとう。そこ置いといて?』


松倉「元太、俺見たい」


『え、海斗くんまって!恥ずかしいからやだ!』





野菜を切っている手じゃ阻止できないから、アルバムを手に取った松倉くんに訴えても、立ったままふたりで開き始める。

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作者名:愛生 | 作成日時:2022年2月6日 23時

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