検索窓
今日:8 hit、昨日:29 hit、合計:114,863 hit

15 ページ15

.





なんだか感情がぐちゃぐちゃになって、お風呂に入って頭の中を整理する。




前松倉くんがプレゼントしてくれたパールに見立てた入浴剤。


ポトポトと湯船に落として、お湯がだんだん乳白色になる。






…海斗も言っていたけれど、松倉くんの束縛ってそんなに酷いものなのかな。




確かに今回だってシャンプーをわざわざ松倉くんのを使うよう言われたりしたけど、まぁ別に無理難題じゃないし


松倉くんを不安にさせている私のせいでもあるだろうし。


付き合って4年経っても苗字呼びなんて、私が松倉くんの立場だったらなんで?って思う。


松倉くんが同窓会に行って昔好きだった女の子と話すことを考えたら、私も少なかず不安になるし。




だから、こうなったのは私のせい。


私が松倉くんのことも海斗って呼べばいいだけ。


海斗との思い出は全部忘れちゃえばいいだけ。


大丈夫、海斗にはもう会わないし。





ローズの香りに包まれて、スベスベになった肌に少し気分が上がりながら湯船から出て松倉くんのシャンプーで髪を洗う。


学生の頃に色んなカラーにしていたことがあった松倉くんのシャンプーやコンディショナーはかなり良いものを使っていて


今は仕事関係で黒髪だけどそのまま同じものを購入し続けている。


いい香りだし、髪を乾かすとサラサラ ツヤツヤでまとまりも良い。







『あがったよ』


松倉「ん、ここ来て」





ソファーに座っている松倉くんは隣をぽんぽん叩いていて、手にはタバコ。


隣に座ると、松倉くんはフーっと煙を出す。




海斗の言う通り、タバコは苦手だった。


でも、松倉くんが吸っているのを止める気にはならないし、寧ろ吸っている姿もかっこいいから見ちゃうし。


タバコのことは全然分からないけど、種類が違うと匂いも変わるのか、父親が吸っていたタバコよりも苦手じゃない。





松倉「ん?」


『タバコってさ、美味しいの?』


松倉「美味いっつーか、もう依存してるだけ」


『ふーん』


松倉「てか何?今更」


『気になっただけだよ』





松倉くんの肩に寄りかかる。





松倉「眠い?明日も仕事だしもう寝るか」


『眠くないよ』




"ちょっとごめん"と言いながら、一瞬背もたれに預けていた身体を起こしてタバコの火を灰皿でジリジリと消す。

16→←14



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (264 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
740人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:愛生 | 作成日時:2022年2月6日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。