真意 ページ8
ドアがガラっと開き、先生が入ってきた。
その後から、ぞろぞろと生徒達も教室に入ってくる。
「今の爆破で君たちは、この教室と隣の美術室、そしてトイレ以外はどこにも行けなくなった。
完全に退路を絶たれたことになる」
黒板に貼った学校の見取り図に、他の場所には行けない、ということを示す線を入れる。
「全然、話ついていけないんだけど」
「え......これドッキリだよね...？」
女生徒達の、絶望の色が混じった呟きが漏れた。
「もちろん、リアルだ」
先生は現実を分からせるかのように、力強く答える。
本当に、夢だったらどれだけ良かっただろうか。
「ちなみにこの学校には、さっきのような爆弾が至る所に仕掛けられている。」
「この教室にも爆弾があるってことですか？」
「いち、にー、さん」
てんじょう の 爆 弾の数を数える先生。
恐怖で、ビクリと体が震えた。
「分かったら、席に着こうか」
少しの嘲笑が含まれた声に、みんな席に着いた。
先生は窓の外を見ながら、避難している他クラスの生徒たちをあざけ笑いだしている。
その隙に...！
スマートフォンを開き、メッセージアプリのアイコンを押す。
周りも今だ、とスマートフォンを出している気配が伝わってきた。
おみくんとイリーナ、そして私のトークルームに入って、メッセージを送ろうと
「はい携帯ストップぅ！」
気づかれた...！
「これから皆んなの携帯電話と鞄を回収するから」
助けて、という連絡はもう誰かがするはずだから、
急いで今日の夜言うはずだった、もう届かないかもしれない言葉を、打つ。
「もし、余計なことをしたら...バンッ！！！！！」
「それが嫌なら、全部この中に入れろ」
教室中に、もの恐ろしさがまとわりついた。
画面を触る手が、汗に濡れる。
文字を打つ手が震えるが気にしている場合ではない。
打てた...！送信...！
送信ボタンを押すと、隣に人の気配がした。
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作者名：はるさめ | 作成日時：2021年11月26日 0時
