不正解 ページ24
「アンタ達に何が分かんの！？
澪奈の何が分かんの！？
澪奈はいつも凛としてて、
結局薬、物なんてやってなかったし！
なのに情報に踊らされて彼女を追い詰めたのはアンタ達じゃない！！」
泣きながら訴える茅野さんに、生徒達は何も言えずじっと見つめていた。
「けど一番許せないのは私だ…私は澪奈を被写体として見てなかった。
先生の言う通り、澪奈が手紙を書いたのはちゃんと意味があった...」
涙を拭きながらぽつぽつと、それでいてしっかりと話す茅野さん。
「『さくらとは友達になれない』...滲んでるの」
「『なれない』の文字が、澪奈の涙で滲んでるの
手紙を書いたのはきっと『違うんだよ』って伝えたかったから」
茅野さんの独白に、皆んなが耳を傾ける。
「ホントは『ずっと友達だよ』って伝えたかったから。
私はそれに気づこうとしなかった...気づかないフリをした
怖かったから…
私も澪奈や烏間さんみたいに皆に無視されて、陰口言われるのがのが怖かったから」
「私は、澪奈のSOSを踏みにじった。
澪奈が自 殺したのは…
私のせい。」
「私のせいで澪奈は命を絶った
ごめん 、ごめんね、澪奈...」
教室中がシーンとしている。
口を出す者は、誰もいなかった。
「それがお前の答えか？
お前のせいで景山澪奈は死んだ。そうだな？」
先生は茅野に聞く。
「...はい」
罪を噛み締めるように茅野さんは答えた。
「残念ながら今の答えは不正解だ。
確かに景山は烏間以外のクラスメイトから無視されていた。」
「そしてもう1人の親友だと思ってたお前にも避けられて、深く傷ついた。
でもそれが亡くなった理由じゃない」
先生は冷淡に答える。
「違う！私のせいなんです！
本当に私の」
「お前のせいじゃない」
はっきりと言い切る先生に、ひとつの疑問を抱く。
なぜ、
「なんでアンタにそんなことが分かるんだよ！」
そう、何故分かるのか
「景山本人から、聞いたからだ。何に、あいつが苦しんでいたのか」
澪奈ちゃんから...聞いた...？
「なら景山は、誰に何をされて自 殺したっていうんだよ！」
甲斐くんが声を張り上げる。
「何故、クラスメイトが死ななければならなかったのか。
卒業までの10日間で、一緒に考えるんだ！」
先生は力強くそう言った。
目的はそれだったのか...。
澪奈ちゃんの死を皆んなで考える。
またこのような惨劇を二度と起こさないように。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるさめ | 作成日時：2021年11月26日 0時
