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＊
私がEXOの3人の近くにいるからか、ユウタさんが能力を解いた。
「うっわ、Aマジでカイと同じ匂いする。
メッセの話マジだったのかよ。」
「ベッキョン、さん。」
「てかさ……能力消されたってマジ?」
髪に顔を近付けるベッキョンさんを遠ざけながら、言いにくそうに口を開いたチャニョルさんに頷くと3人の顔が強張った。
「なんで無効化で上書きしなかった。」
レイさんに治してもらわなかったのか、彼自身がそんな状態じゃなかったのか、服から見えている至る所にガーゼや包帯をしているカイさんがその腕で私を抱いたままじっと私を見た。
「能力より大切なものが天秤にかかったので。」
「そ、ならいい。
……帰りましょう、スホヒョンに連絡お願いします。
Aは、見つかったと。」
「多分、もう間に合いませんよカイヒョン。」
割り込むように口を開いたのはジャニオッパ。
「……気になりませんでしたか。
ここのスプリンクラー、なんでこんなに霧のような小さい水しか出ないのか。」
触れられたのは、私がここに連れてきてもらった時から景色を霞ませていた霧状の水。
威力は弱いがスプリンクラー系のものだとは察しがついたから特に気に留めなかったが……
「これ、全フロア共通で、ある一定の衝撃が加わったら一斉に作用するようになってるんですが。
これ全部、俺が能力を付与させたものなんですよ。
何かわかります?」
もしかして、と呟くチャニョルさんに彼は能力を消す力ですよ、と怪しく笑ってみせた。
「、なんで。」
「勘違いせんとってなA。
俺達が出した結論は、全員の能力を消したうえでのNCTの解散なんよ。」
ただ、ね……と頬を掻くユウタさん。
あくまでこの今の事態は彼らが望んだものではないということか。
テイルさんが続ける。
「ただ……それが一致したのが昨日の夜で。
今日1日かけてこういう緊急設備の停止と、俺達の能力を消す作業に充てようと思ってたんだ。
だけどそれに手が付く前にこうして襲撃を受けたからね……」
「この霧は、10分も浴びてたら能力が使えなくなる。
幾らヒョン達とは言えもうあと数分持つかどうか。
あと5分もあれば確実に能力が消えるだろうね。」
EXOのお2人が困ったようにカイさんの方を見つめる。
どうにかできるとしたら、彼の瞬間移動の能力のみだろうから。
「……ヒョン達に連絡は。」
「無理だ、出ない。」
「……今から場所探してたら、到底間に合いません。
ここの4人だけで逃げますか?」
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