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＊
轟音と共に、天井から伝わってくる大きな揺れ。
何が起きているんだろうか、こんな朝っぱらから。
私は先ほどジョンウ君に朝ご飯を運んでもらったばかりだというのに。
「ヤバいことになったよ、A。」
なんとなく落ち着かなくてソワソワとしていると、突如波打った私の影から顔を覗かせたジェヒョン。
「朝一でEXOが乗り込んできた。Aを返せって。
やっぱり俺達が捕まえてきたEXOの3人を逃がしたのはお前だったんだね。
じゃなきゃAの為に乗り込みまでしないだろうし。」
ま、今はそんなことを言いに来たんじゃないと、座っている私に合わせて影から上半身だけを乗り出して彼は私を見詰める。
「……A、どうしたい?
今、俺らは押されてる状態だ。
このままここにいれば、いつかNCTは全滅して生き残ったEXOの誰かがお前を見つけて連れ帰るだろう。
でも、俺の能力を使えば、ここを出てどこかの、誰かの影まで今すぐに連れていける。
ねえA、今すぐ、NCTでもEXOでもいい。
無事な今、会っておきたい人はいる?」
ああ、いる。
時の経過をこんなにももどかしく思ったことはないくらいに、会いたい人。
「――ジャニオッパに、会いたい。
ジェヒョン、協力してくれる?」
――勿論。
そう聞こえた瞬間、足元が急に水になったような感覚と共に黒い何かに飲み込まれる私の体。
思わず目を閉じると、数秒の間に沈黙から喧騒に。
着いたよ、と言われ目を開けると、目を見開いた彼と、目が合った。
「A……なんでここに。
ジェヒョン、何のつもり。」
「すみません、ジャニヒョン。
でも、これが俺の選択なので。
……ま、正直反動ヤバいので、暫く離脱してますね。」
遠距離を運ぶのやっぱ疲れる〜、と影に沈みながら私にまたね、と手を振った。
ざっと辺りを見渡すと、NCTの年長組4人と、ユウタさんの能力のせいか地面に膝をついているカイさん、チャニョルさん、ベッキョンさん。
「まだ出せないって言ったよねA。」
「すみませんテヨンさん、でもこれであそこにいたままだったら絶対後悔するので。
――オッパ、いっぱい傷つけてごめんなさい。
その頬のガーゼ、私の為に誰かに殴られてくれたんですよね。
でも私は信じてもない人をオッパと呼べるほど大人じゃないんです。
それで――」
言いかけた私のすぐ傍、重く空気を切る音と共に逞しい腕が私の体を抱いた。
そして視界は一転。
「A――ッ」
「カイさん……無事だったんですね。」
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