Pioneer my Way (ページ44)

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キリ悪いとこで50行きそうだなぁ
＊

「……どういうことですか?」

私は、止めたかった。
私の能力がなければ彼らの最終目標は果たされない。
完全な悪意でやっていない彼らは、その状態で続けても無意味だと気付き踏みとどまる。
まぁ、実際はまた違った気付きで止まったわけだが。

「A、君は、このことに関して、1度でも誰かに相談した?」

「相談したら、止まりましたか。

人から能力を奪うことが決していいことではないと分かって、なおそうすることを選んだあなた方が、止まりましたか?」

皆さんを見ていたら、決して楽しくてやってないことは分かった。
兄が帰ってきたと頭を下げたヘチャン君の顔がよぎる。

「俺は、多分止まらなかった。
今まで何人もの仲間を見送ってきたのもあるしね。
俺だけはこうでもならないと引けなかった。

ただ、NCTは俺だけじゃない。

テイルヒョンは?
それがお前の選択なら耳は傾けてくれたんじゃないのか?

ジャニは?
妹って可愛がってる奴が、自分の為を思って意思表示をしてくれた。

ジャニは、止まってくれなかったか?
自分を思ってくれる妹を、否定した?」

『弱ったな……そうなる前に1回オッパに相談してよ?』

私の怪我を治す時、能力を奪ってほしくなったらまたお願いをする、と言った時の彼の言葉が何故か今リフレインした。

「……ジャニは、アイツだけは多分止まってたと、お前の味方になったと俺は思うよ。

ぶっちゃけ、アイツの能力だけは効いてるかどうかが目視じゃ分かりにくい。
もし、アイツがお前の能力を奪わずに、嘘で、今回のように俺達に報告したとしても、結末は同じだった。」

『Aの能力、俺が消した』ってな、と先程より幾らか崩れた口調で私に目をやる。
俺達は確かめる術を持たないからな、と。

「一瞬俺もその線は疑った。
ただ、あの後アイツの顔色マジで悪くってさあ。
あぁ、マジでやったんだなって分かった。

俺がひらめいたということは、アイツだって絶対それは浮かんだはず。
でも、そうしなかった。」

何でか分かる?と目の奥を覗かれる。
分からない、首を横に振る。

「俺も他人だし、これは多分だけど。
自分に信頼が置かれていないって気付いたからだよ。」

「っ、そんなこと。」

「ない?本当に?
その発言がただのジャニかNCTのジャニか、分からなくなったこと、ない?」

心当たりは嫌というほどあった。
始めはそんなことはなかった、ただ……

時が経つごとに分からなくなってしまったんだ。