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しぶしぶといったように、端的に告げられた名前を聞いて興味なさそうなふりをしながら必死に頭に刷り込んだ。
「……明らかに偽名の奴いるよね。
ま、いっか。私はA。」
「君は能力狩りなんだよね?」
「あなた達はいったい何者?」
騙されないぞ、しれっと聞いたって駄目だぞチャニョルさん。
できれば年も聞きたかったがここで私の生まれ年を言うのは自滅行為だ。よそう。
答えたのは先ほどまで私と主に会話をしていたスホさん。
「……へぇ、あんなにお前の手下?同僚?を殺したのに情報が行ってないなんてな?」
「私が知っているかを置いたうえでの話じゃなかったっけ?
言わないならいいよ、私も正体言わないから。」
やっば、これはやらかしたやつだろうか。
この返答から予測できることは2つ。
能力狩りとやらは1人ではないこと。
それから彼らは能力狩りどころか、それを滅さんとするいわばスーパーヒーローだってこと。
「はぁ……揺らがないか。
俺たちはEXO。能力を使って能力狩りや能力犯罪者を捕まえて突き出したり、場合によっては殺したり。」
「私は能力狩りじゃない。」
「は?嘘つくな、お前。」
遠くから威圧的に睨むのは一番最初に会ったお兄さん――カイさん。
「嘘じゃないけど?」
「じゃあなんで俺らは今能力を使えない?なんでこんなことをさせられてる?」
決して威圧的ではない、しかし親が子供を諭すように有無を言わせぬ声色でスホさんが私へ問う。
うーん、これだけは向こうから何も絞れないからあまり言いたくなかったけど……仕方ない。
「私が能力使っといたから。」
「その能力とは?」
無言を貫く。すると私の前にぐるりと座った9人の横の方から名を呼ばれる。
「吸収……妨害……借用……無効化……」
それっぽい単語を並べていくベッキョンさん。
初めは何をしているのかと思ったがこの間と私の観察の仕方。
確信した、表情の変化を見られている。
しかしこれも例のオッパ達で経験したことがある。
「……駄目だ。俺は光を操る能力。」
目を合わせたまま一切動かさなかったら、ベッキョンさんが折れてくれた。
それで他も諦めたのか、能力だけ淡々と告げられる。
「……俺は水を操る能力だ。
お前をカイが連れ帰って以降。レイ以外能力を全く使えなくなったから、お前の能力で何かされたら困ると手を後ろに枷で固定して、ある程度フェアな状況で交渉しようとしてる。」
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