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＊
「ディオヒョン、コイツ、もっててください。
……セフナ。」
「分かってる。
おいA援護!
間違っても俺たちにはやんなよ?」
心配そうに私を抱えたディオさんの腕の中で頷いた。
ふと見たら足ごと真っ赤で、全体的に白めの服を着ているディオさんに抱えてもらっているのがひどく申し訳なかったが立てそうにはないので後日謝っておこう。
「ただ……あまり上手く距離感測れないので、あんまりすばしっこく動かせないで下さいね。」
「それは保証できないから俺の周りは避けろ。」
言うが否や瞬間移動でNCTのテンと呼ばれた男の前に飛ぶ。
「ぅわっ厄介な奴が来た!
クン離れてて、10!to……0!」
カウントダウンを飛ばしたからか私より少しだけ小規模な気もするが、カイさんの右肩口でまた爆発が起こった。
「ちっ……ちゃんと数えろ、よっ!」
「はっマジかよ――!?」
しかしそれを舌打ち1つで流したかと思うとテンさんを、後ろにいたクンさんもろとも蹴り飛ばした。
「テン、クン!」
「よそ見すんなよ?」
能力の応用で自分の速度を上げたのか、素早く距離を詰めるセフンさん。
そのパンチをすんでで躱したドヨンさんが宙に手をかざす。
すると彼の周りに現れる2本のナイフ。
何となくその後のことは予想がついたので、指をそのナイフの方へ向ける。
手が振り下ろされ、そのナイフの内1本がセフンさん、もう1本がこちらへ。
大丈夫、読めてる。
狙え、能力による武器なら。
「――無効化できる。」
ナイフの内、セフンさんに向かった方が消えた。
「ちょっなんで片方だけしか無効化しないんだ……ッ!!」
もう片方はディオさんによってタイミングよく殴り落とされた。
「すみません、射的は苦手、で……」
「よーしナイスだマンネ、おらっ!!」
「あ"っ!?」
一閃。
風がドヨンさんのお腹を切り裂いた。
「ドヨナ!!
おい、撤退するぞ。
クン、復活した?」
「多分それくらいなら大丈夫。
ねぇ皆さん、マジックはお好きですか?
今から僕たち3人が消えます。」
クンさんが柔らかく笑った。
その穏やかさがひどく不釣り合いで、危険を感じたのか2人が私達の所まで下がった。
「さぁ見てて、1、2の……3。
また会おうね。」
私と目が合ったように見えた、その瞬間。
3人は元からいなかったかのように姿を消した。
「幻覚……逃げられたな。」
「おいA。
……能力まだ使えるか?」
「よせカイ、お前もAもケガしてんだから。
セフナはカイをかつげ、帰るぞ。」
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